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東京の伝統工芸品

2019114日(月)

「東京洋傘」

東京の伝統工芸品とは、江戸から伝わる匠の技を駆使した工芸品のことで現在41品目が選ばれています。去年、東京の伝統工芸品に認定された「東京洋傘」。明治の文明開化の頃、西洋に憧れた日本人が真似て作り出したのが東京洋傘の始まりです。
60年にわたり、東京洋傘を作り続ける職人・小川信二さんに作り方を見せてもらいました。傘に張る絹地を裁断するときに使う「型」は、職人が自分で作る手製の道具。傘を広げたときの布の広がりを計算し、楕円に裁断します。傘の骨になる部分と布を貼り合わせるときに最初に取り付けるのが、骨から布を守るためのダボ巻きと呼ばれるもの。ダボ巻きは、東京洋傘が伝統工芸品に選ばれた技術の一つです。傘の中央には、ロクロ巻きと呼ばれる布を貼り、指を傘の骨にはさまない工夫もされています。「皆に喜んでもらえればいい」と小川さんは話します。
住所:東京都墨田区横川2-3-8 
電話:03-3626-4131
HP:https://www.montblanc-y.co.jp/
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2019115日(火)

「江戸甲冑」

70年に渡り、江戸甲冑を作り続ける職人・加藤一冑さんは東京都の伝統工芸士。息子の威さんと営む工房を訪ねました。
江戸甲冑の始まりは、江戸時代、端午の節句で男子の健やかな成長を願い、強さのシンボルとして大鎧を飾ったのが始まりとされています。こだわりは、和紙を貼り付けた「小札」と呼ばれる紙。紙を重ねて皮や鉄の代用にするのは江戸時代からの技術です。完成した小札に漆を塗り、組紐で編みます。あとは星と呼ばれる鋲をつけた鉢と組み合わせて装飾を施せば兜の完成です。「出来上がったときに楽しさが出てくる、出来上がるまでは大変なもの」と加藤さんは話します。
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2019116日(水)

「東京くみひも」

45年にわたり、組紐を作り続ける職人・中川正明さんを訪ねました。「東京くみひも」で使える糸は、絹糸と金糸、銀糸のみ。まずは1本の糸を「小枠」と呼ばれる巻き芯に巻き取ります。それを「へきり」と呼ばれる作業で1本の糸を用途に合わせ束ねます。これが組紐の材料になります。組台を使い組紐を組む様子を見せてもらいました。「押し」と呼ばれる組紐作りの伝統技術でしなやかさやコシが生まれるそうです。より複雑な模様が組めるのが高台。中川さんの先代は3段組みに改良していました。72個の玉を使う独特な組み方です。「伝統工芸をただ守っているだけでなく、新たなものを付け加えて、それを後世に残していくというのも、一つの重要な技術になると思う」と中川さんは話します。
中川組紐工芸
住所:埼玉県さいたま市岩槻区本町3-5-26
電話:048-756-0313
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2019117日(木)

「江戸更紗」

「江戸更紗」を50年作り続ける職人、浅野匠進さんは東京都の伝統工芸士。江戸更紗の作り方を見せてもらいました。一番重要なものが、柄を作りだす「型紙」。富田染工芸には12万枚もの型紙があるそうです。通常30枚から40枚ほどの型紙を使って柄を作りだします。続いて「色合わせ」ではベースになる16種類の染料を組み合わせ全ての色を作ります。染付はまず黒い染料で輪郭を描きます。そして型紙の位置を固定し、何色もの染料を特殊な刷毛「丸バケ」で塗っていきますが、この作業は一人でやらないと染付の味が変わってしまうといいます。そして染めた反物を蒸し、水で洗えば完成。「濃くなったり薄くなったり、これが技」と浅野さんは話します。
富田染工芸
住所:東京都新宿区西早稲田3-6-4
電話:03-3987-0701
HP:http://www.sarakichi.tokyo/sarakichi.html
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2019118日(金)

「江戸手描提灯」

45年にわたり、江戸手描提灯を作り続ける職人、村田修一さんは東京都の伝統工芸士。江戸時代の提灯は、ただ暗がりを照らすためだけでなく屋号や文字を描き込み、目印として使われ、それが江戸手描提灯を広めました。提灯づくりを見せてもらいました。固定した提灯に、「ぶん回し」という道具を使い文字を描くための「あたり」をつけます。そして素描きと呼ばれる輪郭を、日本画で使う面相筆で描き込みます。素描きが終わると骨に沿って塗り込んでいきます。この日出来上がった提灯は、浅草の寺、待乳山聖天(まつちやましょうでん)に奉納され1年間飾られると言います。「立体的なところへ描きいれるということ、ゆがんでいるところをゆがんでないように見せる、それが腕だと思う」と村田さんは話します。
泪橋大嶋屋提灯店
住所:東京都荒川区南千住2-29-6
電話:03-3801-4757
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東京都指定伝統工芸品・東京都伝統工芸士
電話:03-5320-4659(東京都産業労働局商工部経営支援課)
HP:https://dento-tokyo.jp/
HP:http://www.dentoukougei.jp/

第62回東京都伝統工芸品展
電話:03-5320-4791(東京都産業労働局商工部経営支援課)
開催日時:1月18日(金)〜23日(水) 午前10時〜午後8時(18・19日は午後8時30分、23日は午後6時まで)
会場:新宿島屋11階 催会場
HP:http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/12/17/09.html