今週のテーマ

高次脳機能障害

2008年 1月21日(月) 放送分


誰にでも起こりうる

高次脳機能障害の概要は、病気や事故が原因で脳が損傷し、記憶や注意・言語などの知的な機能に障害が起き、生活に支障を来す障害で誰にでも起こる可能性があります。本日は、その高次脳機能障害の概要と、なぜこの障害が最近注目されてきたかを探ります。

高次脳機能障害。その患者数は全国でおよそ30万人とも言われています。様々な働きを司る私たちの脳。その脳が、事故や病気などによって損傷を受け、知的な機能に障害を起こし、生活に支障をきたします。原因としては、脳卒中が一番多く、若い人達では交通事故による「脳外傷」が多くなっています。東京都では高次脳機能障害に関する相談窓口の設置やリハビリプログラムを実施、区市町村と連帯して様々な支援を行っています。


  





2008年 1月22日(火) 放送分


気づかない・・・気づかれない障害

東京都や、市区町村では、高次脳機能障害のためのリハビリを行っています。東京都心身障害者福祉センターと、世田谷区立総合福祉センターの取り組み、実際の利用者の生の声を交え、現状をお伝えします。

こちら東京都心身障害者福祉センターでは、常時およそ40名が、社会復帰を目指してリハビリを行っています。印刷会社に勤めていた男性が脳梗塞で倒れたのは3年前。半年間の入院の後に、失語症が残りました。また、ある女性は高校生の時、自転車にのっていて交通事故にあいました。以来、13年間も障害に気づかず働き続け、何度も解雇されました。障害を乗り越え、健康であったときの自分に近づき、社会復帰を目指し、みなさんががんばっていました。








2008年 1月23日(水) 放送分



患者と家族の集い

本日は、高次脳機能障害の患者と家族の方が集う調布ドリームをご紹介。こちらでは、小学生向けの国語や算数のドリルを使った、脳トレーニングなどのリハビリを、患者と家族が一体になり行っています。

高次脳機能障害の患者と家族の会「調布ドリーム」。こちらでは患者本人だけでなく、その家族も一緒になってリハビリなどのプログラムに参加します。会員は約60名。ボランティアスタッフと共に、週三度の活動を行っています。「グループの持っている力」が、当事者や家族を勇気づけるといいます。代表である矢田さん自身も、息子さんが高次脳機能障害と診断され、母親としても障害と向き合っています。家族にしか分からない共通の悩みや苦労。ここは何でも相談できる場であり、情報交換の場でもあるのです。







2008年 1月24日(木) 放送分

家族が理解の一番

昨日ご紹介した、調布ドリームに参加している設楽さんは、自転車事故が原因で高次脳機能障害になりました。買い物に行く途中、自転車同士の事故が原因で、3週間の入院。退院後もいくつかの障害が残りました。設楽さんを支えるご家族をご紹介します。

退院後、いくつかの障害が残り、普通の主婦だった設楽さんの生活は大きく変わりました。過去を思い出せない、電車にさえ乗れない、そんな記憶の障害によって生活に支障をきたすようになった設楽さん。特に毎日の買い物については、戸惑うことばかりでした。3日間も同じ献立をつづけたこともありました。そこで考えたのが記憶障害の一番の対策「メモをとること」。カレンダーには書き込んだメモがぎっしりです。家の中で一番目につく場所には「覚えようとしない」「無理しようとしない」の張り紙が・・・。家族みんなでサポートしています。事故から3年たった今、週2日、調理補助の仕事ができるようになりました。障害を理解して助け合う。それが設楽家のライフスタイルです。






                                                                                                                                                                                               

2008年 1月25日(金) 放送分



仕事と趣味で社会復帰

仕事中に脳卒中で倒れ、高次脳機能障害になった今井さん。リハビリを兼ねて中学時代の友人達とバンド活動をしています。また、福祉就労施設でクッキー作りなどの仕事にも励んでいます。

今、流行のオヤジバンド。そこでドラムを担当している今井さん。記憶障害、左半身麻痺という高次脳機能障害があります。44歳の時、脳卒中で倒れ、いつかの障害が残りました。現在は高次脳機能障害の方が福祉就労をする作業ホームで、1日6時間、週5日働いています。普通の生活をすることさえ困難な今井さん。それを支えてきたのは、やはり家族でした。記憶障害のために、メモを取ることの大切を痛感し、そこでつけはじめた自身の半生「反省記」。そこには友人や家族への感謝の気持ちが綴られていました。











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