今週のテーマ

オルセー美術館展

2007年 2月26日(月) 放送分


オルセーにようこそ!

19世紀 芸術家達の楽園をテーマに東京都美術館で開催されているオルセー美術館展。館内には絵画や彫刻、写真、工芸品など140点が5つのセクションに別れて展示されています。その中から本日は「パティニョールのアトリエ」をご紹介します。

 

ルーブル美術館、ポンピドゥーセンターと並び、パリの3大美術館といわれるオルセー美術館。今回、19世紀・芸術家の楽園と題された「オルセー美術館展」、その由縁は・・・

こちらは新たな時代を切り開いた、若き芸術家たちの肖像画。中央に座るマネ。彼を囲むのはルノワール、モネ、バジールなど、のちに巨匠と呼ばれるようになる芸術家達が、一同に会しています。これは印象派達の楽園の始まりとも言える名画です。






2007年 2月27日(火) 放送分


印象派の仲間たち

今回の展示では「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」や「ジェリー・マネ」などの肖像画も多数展示されています。本日は、その肖像画の中から見えてくる画家達の密接な繋がりをご紹介します。

貴族や王様が肖像画のモデルだった当時の主流を一変。画家達のリーダー・マネは自分の弟子達を描き、庶民的な肖像画を生み出します。それが、こちらのベルト・モリゾの肖像画。当時、女性画家は珍しい存在でした。しかし、それがこの絵を有名にした理由ではありません。人々を惹きつけたのは「鮮やかな黒」。光が当たる場所や、洋服のひだで深く沈んだところなど、おなじ黒でも全く違う、自由な表現がなされています。








2007年 2月28日(水) 放送分


印象派の風景
芸術家達が選んだ制作の場の多くは自然あふれる野趣豊かな土地。都会を離れ、自然と向き合うことで生まれた新しい表現、それは光を描くことでした。今日は「ポール=タン=ベッサンの外港、満潮」など芸術家が愛し、描いた特別な場所を紹介します。

19世紀に起こった産業革命の波を受けて、パリは急激な都市化を遂げます。芸術家達は新たな表現を求め、街の喧噪を離れていきました。小さなさな漁港、ポール=タン=ベッサンを何度も訪れたスーラは、その風景から新しい表現を見いだします。都市を離れ、自然と向き合うことで生まれたもの。それは、これまでの古典的な画法にはない、光に満ちた明るい世界でした。今回並んだ風景画にもそれぞれの画家が愛した、自分にインスピレーションを与えてくれる「特別な場所」が描かれています。






2007年 3月1(木) 放送分

ゴッホとゴーガン

日本にも馴染み深いゴッホ、そしてゴッホの良き友であり、ライバルでもあったゴーガン。「アルルのゴッホの寝室」や「黄色いキリストのある自画像」など、ゴッホとゴーガンの作品から見ることの出来る二人の物語をご紹介します。

「アルルのゴッホの寝室」が描かれた頃、ゴッホは友人のゴーガンと共同生活を始めます。しかし、強烈な個性の画家同士、けんかは絶えませんでした。このころに描かれた「アルルのダンスホール」にはゴーガンへの和解のメッセージが込められていると言われています。浮世絵の影響を受けた色彩や構図はそのままに、ゴーガンが唱えた、太く強い線で輪郭を描く技法を使ったのです。しかし、ゴーガンはゴッホの元を去り、タヒチに向かいました。そして、そこで次々と傑作を生み出していったのです。






                                                                                                                                                                                               

2007年 3月2日(金) 放送分



芸術家達の楽園

芸術家の中にはアトリエでの秘めやかな制作を通じて、自らの内面や空想の世界に深く沈潜していく人もおりました。本日は、そうした内面を描くことや、空想画などの神秘的な作品をご紹介します。


ギュスターブ・モローの「ガラテア」は当時、絶大な人気を誇った作品の一つ。ギリシャ神話の一幕を舞台に、海の精ガラテアに三つ目の巨人が恋をした場面が描かれています。この作品の魅力は、眩しいほどに美しい裸婦像。そして、海の女神にまつわりつく科学的に分析して描かれたものです。

今回は19世紀の芸術家たちが求めた理想の世界をテーマに、オルセー美術館の中でも作品ばかりが来日しています。是非、みなさんも会場に足を運んでみてください。











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