今週のテーマ

東京の伝統工芸品

2007年 2月5日(月) 放送分


歴史を彩る至極の逸品たち

今週の東京サイトは東京の伝統工芸品!まずは「江戸からかみ」。元々、詩歌を書く紙として作られ、次第に襖や屏風にも使われるようになりました。そんな、江戸からかみの独特な技法をご紹介します。

 

からかみは平安時代に中国産の唐紙(からかみ)をまねて作られたもので、江戸時代には様々な文様が考案され、現在に受け継がれています。その伝統を守るから唐紙師・4代目・小泉芳松さん。からかみ作りの中でも木版刷りを専門とする職人です。木版刷りとは、文様を彫刻した版木に光沢の出る雲母(きら)や絵の具などを混ぜた物を塗り、その上に和紙を置き、文様などを写し取るというもの。その際に絵の具を円形の「ふるい」を使い、版木に移動させていく作業が特徴です。






2007年 2月6日(火) 放送分


粋な大人の遊び・・・江戸和竿

粋な大人の遊び道具「江戸和竿」は天然の竹を何本もつないでつくる「継ぎ竿」のこと。美しく仕上げるために「火入れ」や「塗り」を繰り返し、一年近くもかけて仕上げられていきます。そんな江戸和竿を作る職人技と和竿の美しさをご紹介します。

和竿が江戸で初めて作られたのは、江戸時代・享保年間の頃。当時、江戸には竹が多くあり、それが江戸前の釣り文化と結びついて発展しました。そんな和竿作りの伝統を受け継ぐ「竿忠」の4代目・中根喜三郎さん。江戸和竿を作り続けて50年の職人です。江戸和竿は、それぞれ種類も竹齢も違う竹を適材適所に継ぎ合わせて作られます。その見極めが竿の良し悪しを決めます。そんな竿作りの中でも、職人技が光るのが「火入れ」。竹を火で炙り柔らかくし、矯め木で竹のクセを取り、真っ直ぐにしていきます。








2007年 2月7日(水) 放送分


粋な音色・・・東京三味線
落語や日本舞踊に欠かせない「東京三味線」。東京三味線は砥石を使って磨くことが特徴です。そんな東京三味線の製作過程で重要なのが皮張り。破れやすい皮を極限までひっぱる職人技をご紹介します。

日本の三味線のルーツは、中国の三弦。その三弦が琉球に伝えられたのは、室町末期・・。当時は蛇の皮で作られ、蛇川線と呼ばれていましたが、その後、猫の皮を使い、琵琶のバチで演奏するという、我が国独特のスタイルが出来上がりました。そんな伝統の音色を守り続ける、東京三味線の職人・向山正成さん。皮張りが緩いと、せっかくのいい三味線でも音がドン付いてしまったり、響かい音になってしまうと言います。皮の持つ限界の音を求め、音色にとことんこだわる向山さんに妥協は一切ありません。






2007年 2月8(木) 放送分

わざとさびの芸術・・・東京くみひも

たくさんの色糸や組み方で表される様々な模様が魅力の「東京くみひも」。その職人技には根気のいる作業です。そして、東京くみひもの特徴は「わび・さび」の渋い味わい。また、現代にあったデザインもご紹介します。

江戸時代、鎧や刀の装飾として盛んにつかわれた組紐。しかし明治維新の廃刀令で、需要は激減しましたが、その後は、着物の帯締めとして発展しました。しっかりと組まれた紐は丈夫で、ほどけにくいのが特徴です。くみひも師・福島泰久さんはは、東京くみひもを作り続けて50年です。くみひもに使われる糸は絹糸。職人が考えたデザインに合うように染めの作業が行われ、その紐を巻き取り、長さと本数を揃え、最も重要な組み上げの作業が始まります。また、長さや太さを自由に変えられるのがくみひもの魅力。着物を着ることが少なくなった今、帯締めに代表されていたくみひもは、携帯電話のストラップなどにも利用されています。






                                                                                                                                                                                               

2007年 2月9日(金) 放送分



命宿る・・・江戸衣裳着人形

もうすぐ桃の節句。雛人形などに代表される「江戸衣裳人形」のご紹介です。衣裳を着たこの人形、正絹の衣裳は見るものの目を奪います。また、もう一つの特徴は顔。人間に似せたガラスの目が愛くるしい顔を引きたてます。


公家などのごく限られた人々の遊び道具であった衣裳着人形は、江戸時代以降に広く庶民にも普及しました。人形師・松崎幸一光(こういっこう)さんは、この道30年・・、三代続く人形師の家に生まれました。京都の人形の煌びやかさに対し、江戸の人形はすっきりした感じで、江戸の粋を表現しているという松崎さん。その昔、産まれた子どもの悪い気を祓い、無病息災を祈り、健やかに育って欲しいとの願いを託された人形達。愛らしく、生き生きとしたその姿には、職人の熱い思いが込められています。











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