今週のテーマ

歴史的建造物

2006年 8月21日(月) 放送分


大正ロマンの香り

時代と共に東京を見つめ、地域の重要なシンボルとして、また都民の馴染み深い建物として、今なお留める貴重なその姿を残すために選定された歴史的建造物。まずは、大正ロマンの香り漂う世田谷区・静嘉堂をご紹介します。

世田谷区にある静嘉堂文庫は、大正13年に旧三菱財閥の4代目・岩崎小弥太によって建てられた図書館。ここには、中国の古典書籍およそ20万冊と古美術品が所蔵され、専門家や研究者にのみ公開されています。大正ロマン漂うこの建物の特徴は、外壁に使われたスクラッチスタイル。まるで釘で引っ掻いたような荒い縦縞模様のスタイルが、一層モダンな建物を印象付けています。英国通だった岩崎小弥太がこだわり、日本における英国建築の第一人者に造らせた静嘉堂には、今もなお大正ロマンの異国情緒が漂っています。



静嘉堂ホームページ



2006年 8月22日(火) 放送分


都会のオアシスに歴史あり

都心にある新宿御苑。その歴史は古く、歴史的に貴重な建物が今なお存在しています。東京から選定されている御涼亭、また国の重要文化財として指定されている洋館御休所をご紹介します。

新宿御苑はもともと徳川家康が、家臣であった内藤清成(ないとうきよなり)に授けた江戸屋敷の一部でした。それが400年以上の時を超えて都民のオアシスとなっています。そんな公園の池に旧御涼亭・台湾閣があります。昭和天皇のご成婚を記念して建てられました。建物を支える安定感のある大きな柱、個性豊かな屋根、雪景は台湾の建築家が手がけた、木造平屋建ての本格的なビンナン様式。この他、新宿御苑内には、明治・大正時代に皇族がたびたび訪れた旧洋館御休所もあります。



新宿御苑ホームページ  




2006年 8月23日(水) 放送分


これぞ神田の老舗グルメ
神田の須田町、淡路町界隈は昔から飲食店が多く、戦争でも運良く空襲の被害を受けなかったため、当時の建物のまま姿を変えず、今なお老舗のお店として多く残っています。その中からいくつかをご紹介します。

神田・旧連雀町(現在の、須田町・淡路町)界隈は、昔から飲食店が多く、今でも老舗の店舗が当時の趣を残しています。そんななか、こちらは東京で唯一のあんこう料理専門店の「いせ源」。江戸末期の創業の老舗です。入母屋造りの建物は平成13年1月に東京都歴史的建造物に指定されました。東京大空襲でほぼ壊滅状態だった下町のこの一帯ですが、この一角は近くに不発弾がまとまって落ちてきて、奇跡的に焼け残ったと、先代のご主人がお話ししてくれました。この界隈には、同じく歴史的建造物に指定された「薮蕎麦」「神田まつや」「竹むら」「ぼたん」があります。




2006年 8月24日(木) 放送分

時代を見つめて・・・高島屋

今年新たに歴史的建造物に選定された日本橋高島屋。日本橋の町のシンボル的存在として街並みに溶け込んでいます。大理石で作られた柱、東洋風モチーフが散りばめられた天井部分など、買い物だけでなく建物の見学としても楽しめます。

日本橋地区の景観を形作るのに欠かせない建物として今年の3月に高島屋が歴史的建造物に選定されました。ルネッサンス様式を基調にした外観をはじめ、モダン建築の粋を集めています。格調高いエントランス、そして歴史の重みを感じさせるエレベーターは、今や珍しくなった蛇腹式の開閉ドアです。そんな高島屋で、姫は広報の方に珍しい物をみせていただきました。吹き抜けの大理石の柱に埋まった、3億5千年前のアンモナイトの化石です。東京の老舗デパートに眠る化石。これぞまさしく歴史的建造物の証です。         







2006年 8月25日(金) 放送分



歴史の音響く聖なる建物

東京で最初に建てられ、ギリシャ様式の珍しい協会として認定されたカトリック築地協会。一見、石造りの建物に見えますが実は木造建築です。戦争を乗り越え、長い歴史の中で、私たちの暮らしをみつめてきました。

ここ築地カトリック教会は、鎖国制度が解かれた直後の明治7年に、東京で最初に建てられた教会です。パッとみると石造りの重厚な外観で、さわっても石の感触・・・。しかし、中には木の柱が入っています。これはモルタル塗りといって、火災の延焼防止とともに経済性が高い建築技法なのです。実はこちら、関東大震災で一度焼失し、昭和2年に現在の姿に生まれ変わりました。そんな中、震災前から変わらずに残る貴重なものがありました、それはペトロ像と、フランスで造られた「お告げの鐘」と呼ばれるビックベン型の鐘です。今は結婚式など特別な時だけ、この鐘の音を聞くことができるそうです。









 

 



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