今週のテーマ

もっと知りたい!脳の世界

2006年 5月15日(月) 放送分


役割としくみ

脳は様々な不思議を持つ「未知なる宇宙」ですが、現在、脳のメカニズムの解明や病気に関する研究などは確実に進んでいます。脳は、その構造により大きく3つの部分に分けられます。まずは、その役割としくみについて探ります。

脳は大きく「脳幹」「小脳」「大脳」の3つの部分にわけられます。「脳幹」は、脳の中心にあり、呼吸や体温の調節など生命の維持を司ります。「小脳」は、歩いたり体のバランスを取るなどの運動を司ります。そして「大脳」は、見る・聞くなどの五感や記憶など人間らしさを司っています。脳の中には、ご覧のような神経細胞、数百億が枝のように突起を伸ばしており、さまざまな情報は、いったん電気信号に変えられ、この神経細胞を通って脳内を駆けめぐります。


 



2006年 5月16日(火) 放送分


人間らしい心・・・前頭葉

今日のお昼に何を食べようか?という身近な選択から、「結婚すべきか?」というような重要な選択にいたるまで、様々な事を決定するのが前頭葉。また前頭葉は、脳の中でも老化の早い場所です。専門家の先生に老化を遅らせる方法もお聞きします。

前頭葉を損傷してしまったあるアメリカ人男性は、事故前の親切で有能でしたが、事故後は別人のように、短気で無礼、仕事への興味も失ってしまったと言います。このように人間らしい生活を送る上で必要不可欠な前頭葉。しかし、前頭葉が十分に発達するには20年かかり、ピークを迎えた後、その能力は衰えていってしまいます。脳の思考力・判断力の衰えは、老化に伴いやむを得ませんが、脳を使うことが脳の萎縮、働きの衰えを少なくするのに役立ちます。

 




2006年 5月17日(水) 放送分


食べ物と脳
人間の食欲をコントロールするのももちろん脳の働きです。脳の中でも視床下部といわれる部分が食欲に関する命令をだしているのです。しかし、現代の高カロリー食によって、視床下部によるカロリーコントロールが出来なくなってしまいます。

ご覧の位置にある視床下部。この中に摂食中枢と満腹中枢があり、空腹感や食べ過ぎなどをコントロールしています。人間は飢えに対する恐れから、食べられるときに食べておこうとする本能があります。しかし、木の実や草を食べていた時代と違い、今の高カロリー食を食べると太ってしまうのです。さらに早食いの方は要注意!満腹感は食後、血糖値が上がり視床下部にある満腹中枢を刺激することで感じ取ります。しかし、早食いは満腹を感じる前に食べ過ぎてしまっているのです。




2006年 5月18日(木) 放送分

あれ?忘れちゃった!

本日は、私たちがよく経験する「物忘れ」について探ります。人の記憶は、脳の一部、「海馬」と「大脳新皮質」によって整理されています。人の記憶に関しての素朴な疑問を専門家の先生にうかがいます。

見たり聞いたりした情報は、大脳の奥にある「海馬」に集まります。ここで一時保管されたあと、様々なジャンルに分けられ、大脳新皮質に送られファイルされます。しかし、必要がないと判断された記憶は、ファイルされずに消却されてしまいます。あまりに多くのものをファイルしておくと、取り出すときに時間がかかってしまうからです。覚えているはずの人の名前が出てこないのは、このファイルの引き出しがうまくいかない時。老化と共に体の動きがギクシャクしてくるように、脳の働きにも影響が出てくるのです。では、鍵をかけたか、かけないか忘れてしまうのは?これは、その行動を体が覚えている為で、体で覚えた記憶を、言葉で思い出すのがなかなか難しいという事です。




2006年 

脳の未来

脳・神経系疾患の治療や研究を行っている東京都神経科学総合研究所。こちらでは現在「アルツハイマー病」の進行を止めて、症状を軽くするワクチンの開発が進んでいるそうです。全国で100万人以上の人々を苦しめている「アルツハイマー病」。このワクチンの開発に期待が集まっています。

東京都神経科学総合研究所で開発が進められている「Aベータ・DNAワクチン」。アルツハイマー病の進行を止めて、症状を軽くするワクチンとして期待が集まっています。アルツハイマー病は、脳が萎縮し、記憶に障害が出て物事を認知できなくなる病気で、脳の中にできる「老人斑」という毒性の斑点が神経細胞を死なせてしまう事が原因とも言われています。このワクチンには老人斑の成分が入っており、それを体内に入れることにより、免疫系を刺激し抗体ができ、脳の中のしみ老人斑を減らす事ができるのです。研究結果では、薬を投与したあと老人斑が約半分に減少した症例も確認されています。







 




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