今週のテーマ

おすすめ!春の庭園めぐり



2006年 4月3日(月) 放送分


大正を彩る…旧古河庭園

春の訪れを彩る東京の庭園、その美しい花や緑とともに、数ある庭園の歴史を紐解いてみるのも楽しみ方のひとつです。まず、最初は、旧古河庭園。大正初期の庭園の原型をとどめる貴重な存在で、今年、国の名勝にも指定されました。

かつて、この庭園を作ったのは古河虎之助。足尾銅山の開発・経営で財をなした古河財閥の三代目です。洋風庭園の眼下に広がるのこんもりした森。実は、この先が隠れた穴場で、広大な日本庭園が広がります。作庭は、京都の名庭師、七代目小川治兵衛(じへい)によるもの。この和風庭園には13の灯籠が点在。なかでも「奥の院型灯籠」は日本最大級との事です。そして庭園の中心にあるのが、こちらの心字池。大切な商談をするときには、この池に舟を浮かべ、その上で行ったそうです。






2006年 4月4日(火) 放送分


黄門様ゆかりの小石川後楽園

江戸時代、徳川御三家のひとつ、水戸徳川家が造った小石川後楽園。水戸黄門の名でお馴染みの水戸光圀の代に完成し、その名付け親も黄門様です。庭園は田舎の風景や海岸のイメージを再現。黄門様は、江戸の真ん中で山や海を満喫していたのです。

徳川光圀により命名された小石川後楽園。その意味は、「天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」ということからつけられました。実は、小石川後楽園は、京都をモチーフにして作られました。それは、将軍に近い者は京都にいくことができなかったためだそうです。そこで、京都に憧れていた光圀は、この地に京都を再現してしまったというわけです。写真は、京都の名刹・東福寺にある通天橋を模してつくられた橋。この他にも、園内を流れる川は、奈良の龍田川を、池は琵琶湖を模して作られているそうです。






2006年 4月5日(水) 放送分


泉水と名石の清澄公園
今日ご紹介する清澄庭園は、三菱の創設者・岩崎弥太郎が、明治11年、社員の慰安や客人の接待の場として買い取り、庭園として造成しました。この清澄庭園は、関東大震災の際には、避難場所としても使用されました。

この清澄庭園の最大の特徴は、日本各地の名石がみられること。岩崎弥太郎は、石がとても好きだったので、全国から珍しい石をあつめて、明治を代表するような庭園を築きました。池を渡る、磯渡りと呼ばれる飛び石は、彌太郎自身で、その置き場所を決めたほどの力の入れようでした。中でも弥太郎のお気に入りだったのが、佐渡の赤玉石で、赤玉石が置かれた場所から見る景色がお気に入りだったそうです。そこから見えるのが、池の向こうに見える「涼亭」。イギリスの国賓を迎えるために作られた建物で、現在は東京都選定歴史的建造物にも指定されています。






2006年 4月6日(木) 放送分

殿の愛した浜離宮恩賜庭園

本日は、徳川家ゆかりの庭園・浜離宮をご紹介します。徳川家の狩場として、この地に庭園作りの土台を築いたのは徳川綱重。以来、歴代将軍によって造園が繰り返されました。今、注目のスポット汐留にある、憩いの場です。

ここは、浜離宮恩賜公園の中にある鴨場です。鴨猟は、大のぞきと呼ばれる池の淵の見張り小屋から、鴨の居場所を覗き、鴨が近づいてきたら、この引き堀と呼ばれる細い川に、餌でおびき寄せます。そして、ご覧のように袋小路になっている引き堀りで、客人が網で鴨を捕らえたといいます。そして、もう一つ、浜離宮恩賜公園の大きな特徴は、汐入の池。汐の干満によって、池の趣が変わります。東京湾の水位の上下に合わせて水門を開閉し、池の水の出入りを調節しています。都内で現存するのはここだけです。浜離宮恩賜公園、4月は桜や菜の花の開花に合わせて、ライトアップやないとコンサートが開催され、入園時間の延長も予定されています。




2006年 4月7日(金) 放送分



時の流れに・・・旧岩崎邸庭園

明治29年、岩崎久彌の本邸として建てられたのが、旧岩崎邸。美しい庭の中には、洋館と和館が建っています。その洋館を手がけたのは、鹿鳴館など多くの建物をデザインしたイギリスの建築家・ジョサイア・コンドルです。

旧岩崎邸・洋館の中で、久彌氏が好きだったのが、書斎。本来はゲストハウスで、お客様と接客するための場所でしたが、例外として、洋館の書斎は毎日のように使っていたそうです。洋館の隣が、岩崎家が普段生活していた和館。実は、そこには岩崎弥太郎氏の時代には、池があったそうです。しかし、久彌氏の時代になって池を撤去。それは、池に久彌氏の嫌いなカエルがいたからだとか・・・。しかし、そんな旧岩崎邸にも池があります。池といっても水を張らない枯山水。書院風の庭園が当時の面影を残しています。







 




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