今週のテーマ

バーク・コレクション展

東京都美術館

開催期間:3月5日まで(月曜休室)
開催時間:9:00~17:00

一般 1,400円 学生 1,200円 高校生 650円 65歳以上 700円



2006年 2月20日(月) 放送分


日本の美ふたたび

上野公園にある東京都美術館は、都民が気軽に芸術に接することができる場。現在はバーク・コレクション展が開催中!バーク・コレクションとは、日本美術の収集家として知られる、メアリー・バーク夫人が40余年をかけて収集したコレクションです。

上野公園、明治6年の開園以来、ここは上野の森と呼ばれ、四季を通じて都民の集う、憩いの場所。さらに、博物館や美術館が建ち並ぶ文化の森でもあります。今回、「バーク・コレクション展」が開催されているのは、近代美術の殿堂・東京都美術館。今年の5月で開館から80年を迎えます。大正15年に開館した、東京都美術館。当時はまだ、作品を常設できる場所がなかった事から、美術関係者からの強い要望を受け誕生しました。以来、特に新作発表の場として、日展、二科展といった多くの公募展が開催されています。






2006年 2月21日(火) 放送分


日本の美に魅せられて

世界屈指の日本美術収集家としてしられるメアリー・バーク夫人。本日は、そんなバーク夫人が日本の美術品を収集しはじめたきっかけや、彼女のお気に入りなどについてご紹介していきます。

このコレクションの主、メアリー・グリッグス・バークは、アメリカ、ミネソタ州・セントポール市で木材や鉄道などを手がける裕福な家系に生まれました。彼女が、日本美術の素晴らしさに初めて心惹かれたのは、母が持っていた着物を目にしたときから。それ以来、日本の美術に関心をもった夫人は、コロンビア大学の美術考古学部で、専門的に勉強を始めました。そんな夫人が、特に心惹かれたは「源氏物語」。魅力的な主人公、美しい着物・・・。夫人の源氏物語コレクションは今や40点以上にものぼります。そして、日本の美術を世界に広めたバーク夫人の功績が認められ、1987年には、日本から勲二等の称号が贈られました。






2006年 2月22日(水) 放送分


風俗画の魅力
絵画や書、そして彫刻に陶磁器・・と、多岐にわたるバーク・コレクションの中でも、バーク夫人のお気に入りの題材の一つが風俗画。江戸時代に描かれた雨宿り風俗図屏風など日本人の生活風習が描かれた作品をご紹介します。

「雨宿り風俗図屏風」英(はなぶさ)一蝶作。これは江戸時代の作品で、にわか雨に見舞われた人々が、雨宿りをする様子を描いたもの。老武士や獅子舞、青菜売りなど様々な階級の人々が、狭い庇のもとに、各々の仕草で雨が止むのを待っている姿が活き活きと描かれています。また、鎖国時代の風物を描いた「阿蘭陀婦人図」。初めて見る異国人の顔立ちやレースの装飾、珍しい犬など、入念に観察し描かれた絵に、当時の日本人は好奇心をそそられたに違いありません。日本美術の美しさだけでなく、日本人の生活までをも愛したバーク夫人は、今では着物も着こなすそうです。






2006年 2月23日(木) 放送分

静寂な美の世界

バーク夫人が愛した「静寂の中の美」。俳人として有名な与謝蕪村が描いた山野行旅図屏風などから伝わる、日本人特有の静寂の美をご紹介します。また、バーク・コレクションを代表する伊藤若沖の作品もご紹介。

バーク夫人が沢山集めたコレクションの中に「南画」というものがあります。南画というのは、職業としている絵描きさんではなく、与謝蕪村のように、歌を詠む人が余技に描いた絵など、教養人が描いたものを南画といいます。一方、こちらはバークコレクションを代表する伊藤若沖(じゃくちゅう)の作品。個性的な作風の画家として知られる若沖の作品の中でも、薄墨を掃いた画面に白梅が、満月に照らされて咲く様は、装飾的な中にも凛とした静寂が感じられます。西洋美術とはまた違った日本美術の美しさや、奥深さを追求したバーク・コレクション。私たち日本人が忘れかけていた、その良さを思い出させてくれるような展覧会です。





2006年 2月24日(金) 放送分



ユニークな日本美術

バーク夫人のコレクションの中には、百鬼夜行絵図や十牛図のようなユニークな作品も沢山!さらには日本人では思いつかないような面白さを見いだしたパーク夫人の視点もご紹介します。

バーク夫人のコレクションの中の、ユニークな作品。そのひとつがこの「百鬼夜行絵巻」。昔、道具を百年使うと魂が宿ると言われていました。そんな言い伝えが描かれたこの作品には、琵琶のお化け、琴のお化け、さらに化粧を楽しむ鬼女など、実にユーモラスに描かれています。一方、禅の修行の過程をわかりやすく表した作品が「十牛図」。仏の心を牛にたとえ、その牛を求め、捕まえ、馴らし、ついには周囲に悟りを分け与えるまでの様子を画でしめした作品です。バーク・コレクションには、私たちが知らなかった日本の美術の新たな発見があります!夫人が生涯をかけて収集した、時代やジャンルを超えた幅広い展覧会に、足を運んでみてはいかがでしょうか?







 




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