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#297(2008.07.26 OA)

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後編もお楽しみに!

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『太陽にほえろ!』『キイハンター』『特捜最前線』…
伝説の刑事ドラマを一挙紹介!

今夜のSmaSTATION!!は、ゲストに船越英一郎さんをお迎えして、『今見たい!懐かしの名作刑事ドラマ ベストセレクション12』をお送りしました。ド派手なカーアクション、爆破シーン、そして「ハ〜デすぎるほどの銃撃戦(笑)」(by香取編集長)などでいまも語り継がれる名作刑事ドラマ――その金字塔ともいえるのが『太陽にほえろ!』でしょう。平均視聴率27%、最高視聴率は何と40%を記録し、実に14年4ヵ月に渡って718話も続いた、まさに日本を代表する刑事ドラマです。ニックネームをつけられた個性豊かな新人刑事の成長ぶり、そして彼らの殉職シーンは、常に大きな話題となりました。ファンが選んだ殉職シーン・ベスト1は、もちろん松田優作さん演じるジーパン刑事の殉職シーン。「このシーン、SmaSTATION!!でも何度か紹介していますけど、何回見ても見入ってしまいますよね。息を飲むというか…」と香取編集長もおっしゃっていましたが、まさに伝説の名シーンですよね。一方、アクション刑事ドラマの元祖ともいえるのが『キイハンター』。サニー千葉こと、千葉真一さんが「日本の映画界のアクションを変えてみせる」という決意ですべてをぶつけたというスタントなしのアクションシーンは、いま見ても衝撃を受けるほどの凄さでした。ほか、水谷豊さん主演の『熱中時代・刑事編』や、松田優作さん&中村雅俊さん主演の青春刑事ドラマ『俺たちの勲章』、ハードボイルドな『Gメン‘75』、二谷英明さん、西田敏行さん、大滝秀治さんら個性派俳優による社会派刑事ドラマ『特捜最前線』も紹介しましたが、名作と呼ばれる刑事ドラマはまだまだあります(ちなみに、船越さんが名前を挙げた『刑事くん』は、1971年〜76年に放送された桜木健一さん主演の人気シリーズでした)。というわけで、次回8月9日放送のパート2もお楽しみに!!

異例の大ヒットを遂げ、現在もロングラン上映中、水谷豊さん主演の映画『相棒―劇場版―』。その人気を受け現在、再び刑事ドラマが熱い注目を集めています。そして刑事ドラマといえば本日のゲスト、船越英一郎さんも、現在放送中の「その男、副署長」で主役を演じるなど、刑事ドラマの常連。これまで演じた刑事役…実に30回以上!!振り返れば、、「刑事ドラマ」には数々のヒットの歴史が…。そこで、今夜のスマステーションは、懐かしの刑事ドラマを大特集します。誰もが憧れた、刑事ドラマの懐かしの名シーンを一挙紹介すると共にあの人気ドラマの舞台裏や知られざるエピソードも大公開!!


スマステーション!!特別企画
今見たい!懐かしの名作刑事ドラマ ベストセレクション12(前編)

■刑事ドラマの歴史を塗り替えた金字塔「太陽にほえろ!」 

平均視聴率27%、最高視聴率は、なんと40%を記録。実に14年4ヵ月に渡り、718話も続いた、まさに日本を代表する刑事ドラマが「太陽にほえろ!」。 そんな記念すべき第1回目の放送当時の七曲署のメンバーといえば…。

露口茂さん演じる“落としの山さん”下川辰平さん演じる“巡査部長・長さん”竜雷太さん演じる“「ごり押し」のゴリさん”小野寺昭さん演じる“貴公子・殿下”石原裕次郎さん演じるのが彼らをまとめる“ボス”そして、そこに登場するのが、萩原健一さん演じる“新人・早見刑事”です。マカロニ・ウエスタンのような格好から付けられたあだ名は…マカロニ。「太陽にほえろ」は、以降、七曲署に登場する新人刑事の成長を追いかけるドラマとなっていくのです。

それではここで、個性豊かな新人刑事の面々をニックネームとともに振り返りましょう。

まずは、ジーンズを好んで穿いた“ジーパン”●松田優作さん
テンガロンハットで登場した“テキサス”●勝野 洋さん
大阪商人の一人息子“ボン”●宮内 淳さん
タバコに紅茶、イギリス文化を好む“スコッチ”●沖 雅也さん
夢はロッキー山脈登頂“ロッキー”●木之元 亨さん
がむしゃらに走る熱血刑事“スニーカー”●山下真司さん
医大を中退し刑事になった“ドック”●神田正輝さん
学生時代はラグビー部に所属“ラガー”●渡辺 徹さん
幼い頃家族を亡くした放浪の刑事“ジプシー”●三田村 邦彦さん
ハンフリー・ボガートに憧れる“ボギー”●世良公則さん
当時、まだ珍しかったコンピューターを操る“マイコン”●石原良純さん

そして「太陽にほえろ!」の名場面といえば何と言っても殉職シーン。それは、萩原健一さんの「俺を殺してくれ」という一言から始まったと言われています。なんと萩原さんは、「新人刑事としては全てのことをやりつくしたので降板したい。だから劇中で殺してくれ」と訴えてきたのです。

「石原(裕次郎)さんとショーケン(萩原さん)が看板でしたから、そんな事困るよ、っていろんなやりとりを何回もしてたんですけどね、『僕は死ぬから』って彼は言い出して」(「太陽にほえろ!」プロデューサー・岡田晋吉氏)

こうして、最初の殉職シーンが生まれ、以降、「太陽にほえろ!」において、殉職シーンは名物となっていったのです。

ではここで、「ファンが選ぶ伝説の殉職シーン ベスト5」をご紹介します。

第5位 “ボン”
宮内淳さん演じる、お坊ちゃま刑事“ボン”の殉職シーン。その愛くるしいルックスに女性ファンも多く当時、彼の殉職の噂が広がると、「ボンを殺さないで欲しい」という手紙が殺到。そんな、ファンの悲しみを誘ったボン刑事の殉職シーンは、犯人に撃たれながらも被害者を救うため、最後の力を振り絞り、ボスに電話をしながら力尽きるというものでした。

第4位 “ゴリさん”
竜雷太さん演じる熱血刑事“ゴリさん”の殉職シーン。壮絶な銃撃戦を終えたその直後、後方から撃たれ、倒れ込むゴリさん。そして、最後はボスの腕の中で、息を引き取ります。

第3位 “テキサス”
勝野洋さん演じる“テキサス”の殉職シーン。拳銃密売現場に単身乗り込んだテキサスは、激しい銃撃戦の末、被弾。それでも何度も立ち上がり、最後までその場に立ち続けようとします。そして、最後は仲間達に見守られて息を引き取ります。

第2位 “ラガー”
渡辺徹さん演じる“ラガー”の殉職シーン。観光バスの運転手を狙う、狙撃犯を追い詰める“ラガー”。そもそも“ラガー”が、初登場したのは476回の放送から。渡辺さんは当時はスリムで、がむしゃらに駆け回るエネルギッシュな若手刑事を好演していました。ところが、そんな渡辺さんを連日、数十人のファンが「出待ち」。それぞれが持ってきた弁当を律儀に全部食べていた、というのです。その結果、彼の体格も良くなっていったのです。

第1位 “ジーパン”
長身で身体を大きく使うダイナミックな走りで圧倒的な存在感を示した松田優作さんが演じた、“ジーパン”の壮絶な殉職。犯人を廃工場に追いつめ激しい銃撃戦の末、“ジーパン”は人質を救い出します。しかし、人質が錯乱状態になり、“ジーパン”を銃撃。撃たれた“ジーパン”言う「なんじゃぁこりゃぁ」というあまりにも有名な台詞は松田さんのアドリブだったといいます。

ちなみに、歴代刑事たちの数ある殉職には珍しい最後も。七曲署随一の気品を備える小野寺昭さん演じる“殿下”。多くの刑事が壮絶な最期を遂げる中、彼は、暴走する対向車を避け、車ごと崖から転落しての事故死。ちなみにこれは、ご本人の「あっさりした最後を」という希望に応じたものでした。そして、ファンの間で今なお語り継がれる名場面といえば、病気治療のため入院していた石原裕次郎さんが急遽出演した最終回。実は、その最終回が撮影されたのは、石原さんの死から遡ること約8ヵ月前のこと。病床から急遽駆けつけての出演でした。それは、犯人の妹から兄の居場所を聞きだすシーン。ここで石原さんは病を抱えた自らを重ねるかのように、アドリブで命の尊さを訴えました。そのシーンは、実に約8分間にも及ぶ長回しでした。

「僕らはその当時、石原さんは復帰できないんじゃないかなっていう気がしてたんでね、やっぱり実際、試写を見たときには涙が出てきましたね。僕だけじゃなくて、結構、みんなスタッフも泣いてましたよね。感動的なシーンだったし」(岡田プロデューサー)





■コミカルタッチな刑事ドラマ「熱中時代 刑事編」

1979年放送の「熱中時代 刑事編」。水谷豊さんが、どんな事件にも体当たりの熱血新米刑事を熱演し、人気を博しました。視聴率も平均24%、最高32.2%を記録。ちなみに、主題歌「カリフォルニア・コネクション」は65万枚の大ヒットを記録しました。

■青春刑事ドラマの傑作「俺たちの勲章」

1975年放送のこのドラマは、横浜にある相模警察本部の捜査一係に所属する若手刑事コンビの活躍を中心に展開される青春系刑事ドラマ。主演は、当時ともに文学座に所属していた松田優作さんと中村雅俊さんが務めました。劇中でのふたりのコミカルなやりとりは見ごたえ十分。また、第14話では、演技を越えたともいえるシーンも。ある強盗殺人事件の目撃者演じる五十嵐淳子さんに中村さんが一目惚れしたのです。中村さんはプライベートでも猛烈なアプローチを繰り返し、この2年後に結婚しました。そしてこのドラマのファンの間で語り継がれる名シーンが最終回。中村さん演じる五十嵐は、事件の責任を取り辞職。松田さん演じる中野は、行き過ぎた捜査が問題となり、地方に飛ばされ、2人は離れ離れに。衝突を続けながらも、互いに信頼し合っていた仲間との別れ。松田さんの泣きながらいつまでも銃を打ち続ける姿が感動を呼び、ドラマは幕を閉じたのです。

■アクション刑事ドラマの元祖「キイハンター」

「国際警察特別室」の秘密チームの活躍を描く「キイハンター」は、1968年に放送開始。アクション路線にお色気も取り入れるなどエンターテイメント性を追求した刑事ドラマです。千葉真一さん演じる風間刑事、谷隼人さん演じる島刑事、そして川口浩さん演じる 吹雪刑事。丹波哲郎さん演じるボスは、登場回数こそ少ないが圧倒的な存在感を誇りました。中には、NHKアナウンサーから女優に華麗な転身を果たした野際陽子の姿も。野際さんは、この作品で一躍注目を集めたのです。そして、その後の刑事ドラマに大きな影響を与えたのが、千葉さんが魅せたアクション。千葉さんは当時、日本では不可能と呼ばれていた、ハリウッド級の本格的なアクションを日本に持ち込み、自ら、そのスタント指導も行ったのです。

「『キイハンター』にかけましたね。よし、これは絶対僕が日本の映画界のアクションを変えてみせるって。当時ね、本当に怖いと思った瞬間がないんですよ」(千葉真一さん)

そこで、「ファンが選ぶ千葉真一伝説のアクションシーン ベスト5」をご紹介!

第5位『滝の上での攻防戦』
山岳地帯を舞台にした、ロッククライミング、つり橋からの落下、滝つぼを眼下にした死闘…。これもスタントマンを使わずに千葉さんご本人が行いました。

第4位『雪の急斜面を転落』
雪山の斜面を転がり落ちるダイナミックなシーン。もちろんこれも千葉さん本人が体を張りました。

第3位『激走機関車にダイブ』
猛スピードで走る蒸気機関車に飛び乗るアクション。より臨場感あふれるシーンにするため、千葉さんは機関士にさらにスピードを上げるよう頼んだと言います。このアクションのために千葉さんは現地を訪れ、何度もイメージを練ったのです。
「もうそこで躊躇したら必ずケガする。自分を信じて、絶対にさっき計算した事は間違いない、っていう感じでやったんです。全部成功してるんです。失敗した事ないです」(千葉さん)

第2位『ロープウェイ決死のハンギング』
ロープウェイに宙吊りになるというこのアクションも、スタントマンを使わずに千葉さん本人が行いました。

第1位『命を掛けたセスナアクション!』
「『キイハンター』を5年間やって、このシーンですね、あっ、死ぬかなって思ったシーンなんですよ」(千葉さん)
それが、走る車からセスナに飛び移るという超過酷なアクションシーンです。速度の落ちた車に引っ張られ、頭から落ちた場合、命は無かった…とのこと。

■ハードボイルド路線を追求した伝説の刑事ドラマ「Gメン‘75」

1975年放送のこの作品は、「キイハンター」の流れを汲み、そのハードボイルド路線を継承した作品となりました。丹波哲郎さん演じる黒木警視の下、様々な難事件を解決していく、警視庁特別捜査課「Gメン」。平均視聴率18%。最高視聴率32%と常に高い支持を受け、7年にもわたって放送されました。ちなみに、「Gメン‘75」というタイトルの由来は、ドラマのスタートが1975年だったことから。また、「Gメン」とは、GovernmentMenを略したもの。一見、落ちこぼれの刑事の集まりだが、それぞれ特異な才能を持つ、エリート刑事の集まりだった…という設定も人気の理由でしょう。そんな「Gメン‘75」は定期的に特別編を放送。中でも大人気だったのが、「香港カラテシリーズ」。その特別編の主役は、倉田保昭さん演じる草野刑事。彼の繰り広げる激しいカラテアクションはお茶の間を魅了しました。

「たまたま私が香港から帰ってきたばかりだったもんですから、プロデューサーと香港ロケどうですか、と。そしたら大変ですよ。プロデューサー兼アクション監督兼俳優みたいになってしまって。寝ないで目一杯やったんですね」(倉田さん)

そしてこの「Gメン‘75」の「香港カラテシリーズ」に必ず登場するのが、香港で人気のカンフースター、ヤン・スエさんです。なんと、彼は15回に渡ってこのシリーズに登場しました。また、「Gメン‘75」は、香港でも人気を博しました。

「この番組ってなぜか香港で非常にうけましてね。放送時間の街は人がいなくなるっていうくらい、凄かったらしいですよ」(倉田さん)

そして、倉田さんは、香港でもカンフー映画に多数出演。そんな中、世界的なカンフー・スター、ブルース・リーさんとも出会っているのです。ふたりは親交を深め、倉田さんはリーさんに、沖縄古武道の武具である本格的なヌンチャクをプレゼント。後に共演も果たしています。

■大人のための社会派刑事ドラマ「特捜最前線」

1977年放送のこのドラマは、二谷英明さん演じる神代警視を中心に、大滝秀治さん演じるベテラン・船村刑事、西田敏行さん演じる・高杉刑事ら特命刑事達が、難事件に挑むストーリーで、リアリティーのある刑事たちの葛藤を描き、人気を博しました。もちろん、リアルさを追求するために、衣装も地味、特殊な武器も登場しないのが特徴です。そんな派手なアクションシーンなどほとんど登場しないこのドラマで異彩を放っていたのが、藤岡弘さん演じる桜井刑事。犯人逮捕のためには手段を選ばず、野獣のように怒りをたぎらせるその姿は圧巻でした。10年に渡って放送された、このドラマのリアリティーを追求する路線は、その後の刑事ドラマにも多大な影響を与えました。

ドラマ何でもありじゃないのか?

今日のVTRを見て「ああいう刑事ドラマをやってみたくなった」という香取編集長。しかしテレビ界にもいろいろな規制もあり…。今週はそんなお話です。「ドラマだけじゃなくバラエティーでもそうですけど、どこまで何がやっていいことで、やってはいけないことなのか、そういうものがあまりにも多くなりすぎて…。ちょっとでも何かあると、『それはいけないんじゃないのか?』ってなりますけど、それから言ったら、あの爆破シーンはいけないでしょ(笑)。いまだに銃撃戦のあるアメリカは、銃社会であるから成立するんでしょうけど…。いま銃撃戦があるドラマをやったらリアリティーがないのか、って言っても、昔はあったわけですからね。ドラマとか映画っていうのは、リアリティーとかそういうことじゃないんじゃないかな、って思うんです。どこかそこに、夢とかロマンとかエンターテインメント性があるものなんじゃないのか、と。何でもありでいいと思うんだけど、規制がなかなか厳しく…。お色気とかも、もう少し何とかしてほしいんですよね。自分も最後の方、少しやらせてもらった『時間ですよ』の銭湯シーンで、脱衣所をボクらが覗いて見ているシーン映像とかだって、見たかったですからね。ああいうの、いまないじゃないですか。あったらあったで、『うわぁ!』って思うんじゃなくて『これ、問題になるんじゃないの?明日、新聞載っちゃうんじゃないの?』って、視聴者のみんなが思っちゃう、っていうのもおかしいんじゃないかな、と。もっと素直に楽しめるものであればいいのに…。『教育に悪い』とかっていうのはわかるけど…」。

(香取慎吾編集長)

船越英一郎さん
刑事ドラマの全盛時代がまた来て欲しい。僕はそのために頑張っている気がします(笑)。


大好きだとおっしゃっていた刑事ドラマの名作集はいかがでしたか?

子供の頃から全部見ていましたからね。刑事ドラマは、やっぱりいいですね。今も血がたぎっていますよ(笑)。

今日ご覧になった中で特に印象的だったのは?

「太陽にほえろ!」は、僕にとって当たり前のように、いつもそこにあるドラマだったんですよね。「太陽にほえろ!」がないテレビドラマっていうのが考えられないくらい。そこに出てる刑事さんも、いつの間にか自分の親戚のような気持ちで見ていましたから、例えば“ゴリさん”が殉職するときなんか、本当に大事な大事な自分のおじさんが死んでしまうみたいな、そんな気持ちになりましたね。“ゴリさん”を演じた竜(雷太)さんも、殉職のシーンでは泣いたとおっしゃっていましたけど、僕らも涙が止まらなかったですよね。それと、あの当時の刑事ドラマは群像劇で、主人公がいっぱいいるんですよね。全員が主人公っていうくらい。だから、必ず自分の好きなキャラクターが見つかるんです。今は、なかなかそういうドラマは少ないですけど。

特に男性は、刑事ドラマに特別な思い入れがあるように感じるのですが。船越さんにとっても、やはり特別なものですか?

憧れでしたよね。とにかく、今の何倍も刑事ドラマがあるわけですよ。月曜日から日曜日まで毎日ある上、多い日は一日2本、3本はありましたから。今思うと、ドラマの半分以上が刑事ドラマだったと言っても過言ではないくらい。だから、刑事ドラマを見ないと、学校でも話題に乗り遅れるっていうくらい、みんな好きでしたね。60年代から80年代までは、そんな時代だったんじゃないでしょうかね。本当に刑事ドラマ全盛ですよね。また、そんな時代が来ないかなぁ(笑)。僕なんか、そんな時代が来てほしいから頑張ってる気がしますね。

それにしても、名作と言われるだけあって、今日、紹介されたドラマはみんな古さを感じさせないものでした。

香取くんも言ってましたけど、今の時代にああいうわかりやすいアクションものをやってみるっていうのも、いいんじゃないかなっていう気がしていますね。若い人にとったら新鮮でしょうしね。

現在、主演を務められている「その男、副署長」も、現代の時代背景を写した新しい刑事ドラマですね。

最近、目を覆いたくなるような犯罪が氾濫していますよね。「その男、副署長」は、そういう犯罪にも深く切り込んでいるような気がするんですよね。だから、ドラマを見ていただいて、もう一度、罪とは何なのか、どうして罪を犯してしまうんだろうか、罪を犯すとどうなるんだろうかってことを考えてほしいなと思います。今回は、一度罪を犯した人間が更生していく難しさみたいなこともテーマにありますので。ですけど、昔の刑事ドラマってそれこそ、家族全員で見ていたっていう記憶があるんですよね。そんなふうに、若い人からご年配の方までみなさんが楽しめるドラマになっていると思うので、ぜひ、みなさんで見ていただいて、もう一度、今の社会を見つめなおすような、そんな会話のツールにもしてもらえたらうれしいですね。決して、ズシリと重いだけのドラマではなく、どちらかというと、刑事ドラマもホームドラマの要素もあり、誰もが感情移入できると思いますので、ご自分と重ね合わせてドラマを楽しんで、そしてそのあと、みんなでちょっと考えてみる、そんなところまで行けるドラマに仕上がっていると思います。

本番中には、ドラマのロケで行かれたという安井金比羅宮を「夏休みのおすすめ観光ポイント」としてご紹介くださいました。改めて、おすすめのポイントを教えていただけますか?

一般的に悪縁というと、男女の縁を想像しますけど、安井金比羅宮では、すべてが縁なので、自分の大事な人がどうしても博打と縁が切れないとかっていうときにもお願いできるそうです。祈願の方法としては、大きな石(縁切り縁結びの碑)に空いている穴をくぐるんですよ。表から裏を通って悪縁を切り、裏から表に通って良縁を結ぶというふうに。誰にでも断ち切りたい悪縁はあるはずですからね。一度、行かれたらいいと思いますよ。おすすめです。

船越英一郎さん主演ドラマ
『その男、副署長〜京都河原町事件ファイル〜』
毎週木曜日 夜8時〜 テレビ朝日系列にて放送中

あのVTRを見て、千葉真一さんを見る目が変わりました!

名作刑事ドラマということで、どの作品も見たことがあったのですが、さすがに60年代後半から70年代前半に放送された『キイハンター』だけは、あまり見た記憶がありませんでした。もちろん、千葉真一さんや野際陽子さんがご出演されていたのは知っていましたが。それにしても驚いたのは千葉さんのアクションの凄さですね。あのVTRを見て千葉さんを見る目が変わりました。本当にアクションの元祖といってもいいくらいの方なんですね。ハリウッド映画を見て、それを参考にするというのはなんとなくイメージできますが、千葉さんはハリウッド以上のものにしたいという思いで試行錯誤されるじゃないですか。当時の日本でそんなことを考えて、自分の体を張って作り上げていくって、本当に凄いことですよね。滝の上での戦いにしろ、ロープウェイに宙吊りになるアクションにしろ、本当に一度でも失敗したら大惨事になっていたのは間違いないですよね。それを、怖いと思ったことはないって……。千葉さんのあの思いの強さが、日本のアクションドラマの基礎を作ったと言っても過言ではないですよね。そのくらいインパクトがありました。ゲストの船越さんもおっしゃっていましたが、最近は刑事ものでもアクション前面というよりは、主人公の心の葛藤を描いたものや、組織の中での生き方を描いたようなものも多いですよね。時代の流れなのかもしれませんが、体を張った派手なアクションシーンを見てみたい、そんなことを思いました。

ボクもああいう刑事ドラマをやってみたくなりました!

◆名作刑事ドラマ…素晴らしかったですね。カッコいい!ホントにやりたいです!船越さんが「ボスをやる年齢になったけど、まだやれてない」っておっしゃってましたけど、ボクも初めて今日思った。夢のひとつが増えちゃった気がしました

◆ニックネームつけて殉職シーンがある『太陽にほえろ!』もカッコいいし、『キイハンター』『Gメン‘75』とかは、海外ドラマですよ。あと『キイハンター』でしたよね、アクションだけじゃなくお色気もちょっとあって…っていうのは。おしゃれだし、オープニングの感じとかもカッコいい。古い感じがしないですもんね

◆だから、ああいう刑事ドラマの要素を全部混ぜて…銃撃戦にリアリティーがない、って言ったら、よりリアリティーを無視して大げさに、でもいいし、コメディーなのかリアルなのかわかんないところに殉職シーンもあって…みたいにハチャメチャになりながらのドラマとかでもいいし、そういうのをいまやったら面白そうだけどなぁ。みんなニックネームがあって『パスタ』とか『牛丼』みたいな感じとかいろいろあって(笑)。絶対、面白いと思うんですよね。やりたいですねぇ、いつか

◆サニー千葉さんのアクションは凄かった。いまはああいうアクションも出来ないでしょうけど、それならあの雪山を転がり落ちるシーンは、明らかなマネキンで(笑)。それくらいのものでもいいから、どっかふざけているところがありながら、でも殉職シーンでは涙しちゃうような、今日VTRに登場した刑事ドラマのコンピレーション・アルバム的な、コンピ的な新しい刑事ドラマはどうでしょうか?

◆アクションも、やれるところまで自分でやりたいですね。滝のシーンはもう「何してんだ!?」って感じでしたよね。最後のセスナに飛び移るアクションでは、「死ぬ…かな」って思ったっていう(笑)、サングラスをとって熱く語るサニーさんにも衝撃を受けました。カッコよかった!

◆次回はパート2。まだまだ刑事ドラマはたくさんありますから、後編も楽しみ!