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『カトリノギモン!松本人志VS香取慎吾』
松本人志さんは、1963年9月8日生まれの43歳。小学校の時に出会った浜田雅功さんとコンビを組み、1982年に「ダウンタウン」としてデビューします。その後、東京進出を果たし、そして1989年に『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)がスタートします。さらに、1991年にスタートした『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)では、伝説的コントを数多く生み出します。ダウンタウン登場以降のお笑い芸人に、ダウンタウンの影響を受けていないものはいないと言われるほど、絶大な影響を与え続け、現在も「お笑い芸人」としてその最前線を走っています。
そんな松本さんは、1998年にオリジナルコントビデオ集「VISUALBUM」を発表。松本さんは、企画、脚本、演出、など全てに参加しました。そして今回、松本さんが新たに挑戦したのが…映画監督。記念すべき第一回監督作品となったのは、6月2日から公開されている『大日本人』です。この作品は、先月19日に第60回カンヌ国際映画祭の監督週間で公式上映され、“世界先行上映”という超異例の形でベールを脱ぎました。

松本さんは、1998年に発表したご自身の著書『松本人志 愛』のなかでこんな事を書き記しています。

「映画は撮りません。映画でやれるのは『お笑い』でなく『喜劇』なんです。『喜劇』と『お笑い』は全然違う」


カトリノギモン!@  「なぜ、今回映画を撮ったの?」

松本:なるほどね。
香取:どうして映画を撮ったのか?ボク、松本さんのこと好きです。小さいころから松本さんのコントを見させてもらったりとかしながら好きになって、スマスマでコントをやらせてもらったり…。そして、松本さんの本も読ませてもらったり…いっぱい見てきました。その中で「映画は撮らない」と言っていたのが…。
松本:ちょっと待って!なんでそんな片言みたいな(笑)。
香取:いやいや(笑)。ボク、今回いろいろ考えすぎて…。松本さんが来てくれる、っていうことでいろいろ考えすぎて、ノー・プランなんです。
松本:あー、いいじゃないですか!
香取:で、好きで見てきたなかで、「映画は撮らない」っていうのがそんなに深く残っていたわけじゃないんですけど、「今回、映画を撮りました」っていう一番最初の会見を見たときに、何かショックだったんです。
松本:「だまされた!」みたいな。
香取:「松本さんは撮らないんじゃないか!」って。撮ったのも好きだからいいんですけど、だけど松本人志っていう人は、本に書いたり、一度言ったことに対して、ウソをつくというか、そういうことは凄く嫌いな人なんじゃないかと。
松本:なるほどね。あの、僕ね、めっちゃウソつくよ(笑)。違うやんか、だから。細かいウソはね。芯はちゃんとあるけどね。でもそれは…確かに、映画で笑いをやると喜劇になってしまう、っていう考え方はあったけれども、「いや、そうじゃないぞ」と。「映画で本当に面白いことを、もしかしたら伝えられるかもしれないぞ」って思った場合、わざわざ過去に自分の言ったことに囚われる場合でもないな、っていうのはありますよね…何とかいま、逃げ切った感じは(笑)。
香取:でも今回の『大日本人』、「構想5年」って書いてあるの見たんですけど。結構早い段階から、映画やろうと思ってたんですよね(笑)。5年前に、「あ、映画撮ろうかな」って思ったんじゃなく、もっと前から思ってたんですよね。
松本:「映画やりません」って言い切ってから、8ヵ月後くらいですね。逆算してみると。まあまあ、人って変るやん。だから素敵やん。
香取:そうですね。
松本:何やろな。でも、今回の映画を見てもらうと、「なるほどな。こういう表現のために映画を選んだのか」っていうのはわかってもらえるかな、とは思うんですけどね。


カトリノギモン!A「なぜ、ヒーローものをテーマにしたの?」

カンヌ映画祭でのインタビューで、松本さんは、 「まず映画というものを壊してやろうかな、というところから始まりました。まだ誰も手をつけてない事、誰もやってない事をやらないと意味が無いなと思ったんで、それから、絶対に面白いこと。この2点ですね」と、ヒーローものをテーマにした理由について説明しました。「誰もやっていないこと、そして、絶対に面白いこと」と、語る松本さんが選んだのが、『大日本人』でのヒーローものだったのでしょう。

「ヒーローといえば、ヒーローですね。僕なりのヒーローというか」(松本さん)

香取:何故、ヒーローものなのか。というのも、いろんなところでされた質問だと思います。
松本:ねえ。いや、これもホントにいろんなところで凄く聞かれたけど、結局は、幼児性やと思いますね。自分の中にある…。やっぱり、自分で自分のこと、「幼稚やな」って思うし、でも、その幼稚さの中にテクニックが加わったときに、凄い面白いものができるんじゃないかな、って…。
香取:セリフなんですけど、台本はありましたか?
松本:基本的にはないね。
香取:ボク、見てて「これ、本ないんじゃないかな」って。
松本:ない。インタビュアーとほぼ半分以上、アドリブでやってる。
香取:NGはありましたか?
松本:NGは、基本的には、よっぽど何を言ってるかわからないくらい噛まない限り、あんまりないね。
香取:時々、吹きそうな松本さんもありますよね(笑)。
松本:そこもあるし…。監督の俺の笑い声で「カット!」みたいなこともあったからね。だから「俺、離れたとこで見とくわ。カット、誰かかけて」って。
香取:監督じゃないじゃないですか!
松本:ホントにそれくらいの感じでやってたね。映画って…現場は多分、これが映画って言えんのか、っていうくらいの現場やったね。
香取:映画のスタッフの人たちとぶつかることはなかったんですか?
松本:いや、ぶつからないよ。基本的には、新しいことをやるときは、俺はホントに凄い謙虚に…基本的には向こうの言うことに全部従うようにしているんで。ただまあ、映画のスタッフは凄い不安やったと思うね。「コイツ、大丈夫かなぁ?」みたいな。台本読んでもいまいちようわからんし、本番なるまでどんな会話になるのかいまいち教えてもらってない、みたいな。だから、結構映画のスタッフは大変やったでしょうね。
香取:これ、1本目じゃないですか。この後、映画作りますか?
松本:う〜ん…だからこの1本目がどうなるか、っていうのももちろんあるし。とにかく、何とか、今日の初日の感じで、赤字は逃れたみたいよ。逃れられそうよ。
香取:もうわかるんですか?
松本:いや、何となく。
香取:そしたら2本目がちょっと見えてくるとか?
松本:かなぁ…。あとは黒字になった分、今度は次につぎ込めるから。
香取:次につぎ込めるものがあれば、自分の中ではやりたいことがある、ということですか?
松本:う〜ん…そうね。でも、毎回こんな感じじゃないと思うけど。単館みたいな、そんなことになるかも。
香取:最初に、内容をまったくシークレットにしたのは、松本さんの発想ですか?
松本:う〜ん…まあ、そうやね。っていうのは…これも、「松本、またわがまま言うてんか」って思われそうなんやけど、そうじゃなくて、見てる人への配慮っていうか…。絶対、そっちの方が面白くなるし。自分が映画を見るときに、基本的にパンフレット見たりすんのも大っ嫌いで。時間くらいはちょっと知っときたいけど、基本的には誰が出てるのかもあんまり知りたくないくらいだから、自分が映画を撮るときはそうしたいな、って思ってたし、次、もしかして映画撮ってもそうするかな?
香取:もし2本目があっても内容はずっと言わないままの?
松本:それで、「失敗するんちゃうか?」みたいなことも一時期ささやかれたんやけど、まあでも、いまになってみると、それでよかったと思うしね。
香取:このまま映画監督になるんですか?
松本:冗談抜きで、マジな話、俺はいろんなことをやっぱりやりたいから、ちょっとAVとか撮ってもおもろいな、って思ってんの。
香取:2本目ですか?
松本:2本目。ポルノに挑戦、みたいな。そんなこともやってみたいなって。「そんな体位で!?」みたいな。これはちょっと誰も手つけてないとこやな、とか。
香取:1本目でいきなりカンヌへ行き、いよいよ公開。そして「2本目何だ?」。
松本:「ポルノだ!」。そんなこととかね。
香取:斬新ですよ。
松本:あと、時代劇をちょっとドキュメンタリーで撮ってみるとか。
香取:時代劇をドキュメンタリーで?
松本:うん。時代劇なんやけど、カメラが何故かある、みたいな。四十七士、「いまから討ち入りに行ってきます」みたいなのを、カメラ目線で言う、みたいな…。
香取:まだまだ、いっぱいあるんじゃないですか。
松本:それもまあ、今後のあれ次第やけど。それも別に映画じゃなくても、ドラマでもできるかもしれんし。
香取:ドラマの監督、ってありますか?
松本:とにかく、ちょっといまやってる番組を何とかしないと…。
香取:「何とかする」っていうのは、ちょっとそこからはいなくなっちゃうってことですか?
松本:(笑)いや、でも、今回映画を見てくれた人はわかると思いますけど、あの手法じゃないと、正直、スケジュール的には無理やったかも。
香取:そこは逆に、もっとスケジュールに余裕をもった上で、じっくり撮ってみたかった、っていうことですか?
松本:そうねぇ…。本当のことを言うと、俺はあんまり出演はしたくなかったから。映画監督だけをやってみたかったので。それを吉本に言うと、それではさすがに金は出されへん、みたいな。そこは凄いシビアな大人の話で、「じゃあ…」いうことで。
香取:じゃあ、今回の『大日本人』は、松本さんじゃなかったかもしれない、ってことですか?
松本:なかったかもしれない、ってこと。いや、いろいろあるんですよ。
香取:シビアすぎて、もうボクは入れません(笑)。


カトリノギモン!B「北野武監督の「監督・ばんざい!」は観た?」

松本初監督作品『大日本人』が公開となった同じ日、北野武監督13作目となる『監督・ばんざい!』も公開となりました。北野監督は11年前、カンヌ映画祭監督週間へ『キッズリターン』を出品。その後、1997年には『HANA―BI』で、第54回ベネチア映画祭金獅子賞を受賞。今や世界的映画監督としての地位を確実なものとしています。今年のカンヌ映画祭においては同じ「お笑い芸人」という共通点から、互いの印象についての質問が飛び交いました。

「たけしさんについて意識はしてないと言えば嘘になるし、もちろんリスペクトしてます。ただ、それだけに勝ちたいと思っています」(松本さん)

香取:『監督・ばんざい!』は見ましたか?
松本:いや、見てないね。機会があれば見たいとは思ってますよ。
香取:北野監督のお話を、たくさんいろいろなところで言われたと思うんですけど、カンヌで一緒になった、っていうのは大きいじゃないですか。もともと、北野監督のことをそこまで意識していましたか?
松本:(笑)。
香取:松本さんは自分の作品が行く、っていうことは知らないで撮影始めてたんですよね。行くことになって、そこに北野監督もいて…ってなったら、やっぱり周りがみんな、北野監督と松本監督、って…。
松本:あと、公開日も同じやったりとか…。それも誰かがそうしたのか、偶然なのかホントわからないけど。そんなこともあるし。
香取:公開日が同じ、っていうのは自分では…。
松本:全然、俺の方からは何もないよ。まあでも、向こうからっていうこともないと思うし。まあ、いろいろあるんやろうね。これまた大人の世界の、我々が踏み込んではいけない世界のことかもわかんないね。
香取:もともと、自分が監督をやる、っていうときに、北野監督のことが頭にあった?
松本:それは、絶対比べられるやろな、とか…。それはずっとあるね。
香取:ほかに好きな監督っているんですか?
松本:いやでも、やっぱり俺は井筒さんとかも好きやし…。作品、作品で、好きなものも嫌いなものもあるけど…。
香取:作品としては日本の映画か、ハリウッド作品か…。
松本:ああ、ハリウッドはあんまり好きじゃないかな。
香取:『大日本人』で、「日本人もっと頑張れ」っていう…。
松本:いろんな取材で、いっぱいいろんな質問されて、いろんなこといっぱい言ってきて、今日舞台挨拶のときに、「何か言い残していることあるかな?」って考えたら、まあそこかな、って思って…。
香取:そこ、ありますか?
松本:俺はちょっとそのメッセージは一応言うといた方がいいかな、って思って。それを言うと、また少し違った見方で見れるかな、って。やっぱり、2回、3回って見てほしいし。それはホントに、お金の意味じゃなく、作品として…。
香取:ストーリーの中で、視聴率の話が。視聴率は、気にしますか?
松本:う〜ん…昔よりは気にするかな?
香取:昔よりは?
松本:うん。昔はホントに気にしてなかった。でも、この5年、10年くらいかな? やっぱりある程度気にしないと、それは番組を一緒にやってるスタッフに対してもちょっと失礼なんじゃないかな、っていう気が。ちょっと大人になったのかな? そこは多少考えるね。だって、その番組でご飯食べてる人もいるわけやから、それは続いた方がいいし、ある程度は意識しないと…。ただまあ、数字取るためにそればっかりにいく、っていうのは全然違うと思うけど。
大下アナ:今回カンヌで、「たけしさんに勝ちたい」とおっしゃっていましたけど、それも興行収入の面で、という意味なんですか?
松本:う〜ん…これは、何をもって勝ちたいか…。長い目で見てもらうしかないんですけど、何をもってか、っていうことですよね。ただまあ、人間としての器では絶対勝てないですね。
香取:勝てないですか?
松本:勝てない。僕は器がちっちゃいよぉ!
香取:そんなはっきり自分で言う人はあんまりいないですよ。
松本:勝てないなぁ、って思いますよ、しゃべってても。「この人、でかいな」っていう感じはありますからね。
香取:映画で監督をなさって、コントとかがテレビでやりづらくなってきたって…それは実際にそうですか?
松本:まあ確実に昔よりも規制は厳しくなってるし、クレームみたいなのも昔と比べると凄く増えてるみたいやから。
香取:そこから映画に行ってしまって、映画で自分のやりたいことがやれてしまうと、ホントに映画に行ってしまうのかな、っていう…。
松本:あのねぇ、それはね、自分で決めることじゃないような気がするね。周りの人が決めるというか…。そうなってくるのかどうか、俺もちょっと楽しみにしてるというか。自分で選べる感じじゃないね。
香取:自分では両方やっていたいですか?
松本:でもねぇ、昔は「そんなこと言われたらテレビで面白いことでけへんやんけ」みたいな、ちょっと不良芸人になりかけたこともあったんやけど、でも、規制が厳しいから、その合間を縫って…法、ギリギリみたいな、そんなところでお笑いをやっていくっていうのも、それはそれで楽しくもあるけどね。「何でも好きにやっていいぞ」って言われると、意外とお笑いって苦しくなってくるから、ちょっとくらい規制があった方が実は楽しいかも、って最近ちょっと思うようにはなってきたけどね。



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