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遂に明後日に迫った日本VSオーストラリア戦。23人の青きサムライに声援を送るため、期間中にドイツの地を訪れる日本人は、2万人を超えるものと見られています。ところで皆さんはドイツの事をどれだけご存知でしょうか。知っているようで実はあまり知らない国・ドイツ。そこでスマステーションでは、ワールドカップ開催国のドイツを徹底リサーチ。そこには日本との意外な関わり、そして知られざるドイツがありました。 |
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ワールドカップに絡んで、いまドイツのテレビでは、「ヴィルコメン!(ようこそ!)」と題されたCMが大量にオンエアされています。このCMは、世界各国のサッカーファンを、ドイツのそうそうたる有名人たちが出迎えるというもの。タクシーの運転手がミハエル・シューマッハ、会場の警察官がフェラー前ドイツ代表監督。ほかにも人気司会者トーマス・ゴッドシャルクやスーパーモデルのクラウディア・シファーなどが出演しているのです。
一方、テレビ業界に比べ、やや押されぎみのドイツ映画界。しかし、ドイツ出身のハリウッドスターが多い事はあまり知られていません。ハリウッドきってのトップスター、レオナルド・ディカプリオはドイツのアーケンシュミット生まれで、母親がドイツ人。さらにブルース・ウィリスも、旧西ドイツ出身で、ディカプリオ同様、ドイツ人の母を持つのです。
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ドイツのビールは、確かに美味しい。その理由は16世紀に制定された「純粋法」と呼ばれる製法にあります。これは水、ホップ、麦芽以外のものを一切加えてはならないというもので、この純粋法により、ビールならではの新鮮な味わいが守られ続けているのです。ドイツで最もポピュラーなビールを飲みたければ「ピルスナー」とオーダーすれば間違いありません。上品で口当たりが軽く、どんな料理にも良く合うビールです。また、ドイツには世界最多6000種以上の地ビールが存在し、こちらも高い人気があります。そんなドイツでは当然、夜遅くまで華やかなナイトライフが繰り広げられている…と思われがちですが、実は意外に夜は早いのです。ドイツには小売店の営業時間を定めた「閉店法」というものがあり、平日は夜8時、土曜日は夕方6時まででほとんどの店が営業を終了してしまうのです。「消費者の便益を考えていない」「経済に悪影響だ」などと悪名高いこの「閉店法」。更にドイツには夜間に大きな音を立てる事を禁止する「騒音法」という法律も存在するので、ニッポンが勝利しても騒ぎ過ぎには注意しなければなりません。
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明治維新における立法・施設建築・医療言語などはドイツをお手本にした事は広く知られていますが、2006年現在、ドイツではこんなB級映画が話題となっています。ドリス・ドリー監督「Erleuchtung Garantiert~MONZEN 悟れること間違いなし」。これは、日本を題材に近年公開され話題となったドイツ映画。妻子に捨てられた兄と、東洋マニアの弟が、禅寺で修行するために日本を訪れる、という奇妙なストーリーの作品です。さえない中年男性が巻き起こす珍道中の様子を描いた、ハートウォーミングなこの作品は、ドイツ国内でも口コミで評判となり、低予算でありながら、スマッシュヒットを記録しました。これ以外にも近年、日本を題材にした映画が複数製作されるなど、いまドイツ映画界はちょっとした「日本ブーム」なのです。
この「日本ブーム」、実はミュージックシーンにも及んでいました。20万枚で大ヒットといわれるドイツで、60万枚を超える空前のヒットを記録し、いま、ドイツの音楽シーンで最も人気あるバンド、その名も「TOKIO HOTEL」。旧東ドイツ出身の4人組である「TOKIO HOTEL」は、2001年に結成されると、デビュー・シングル「モンスーンを越えて」が、ドイツ語圏のシングル・チャートで1位を記録。さらにデビュー・アルバム「TOKIO HOTEL」も60万枚の大ヒット。ちなみにバンド名を「TOKIO HOTEL」とした理由は、「日本が好きだったから」ではなく、「何となく日本がカッコ良かったから」だとか。
また、他のヨーロッパ諸国と同様、ドイツでも日本のアニメやマンガの人気は絶大。書店には日本名のマンガ雑誌が数多く並んでいます。またテレビでも、「ドラゴンボール」など、日本のアニメが数多く放送され、高視聴率を記録しています。
世界的な日本食ブーム同様、ドイツでも寿司など和食はヘルシー、健康に良いと人気を博していました。そんな中、ドイツ西部・フランクフルトで新たな日本食として注目されているのが「ラーメン」。その発端となったのが、ラーメン店「夢谷(ゆめや)」。この店のオーナー隅田さんがドイツへ渡ったのはいまから6年前。ある日、ドイツの友人らに自らの手料理を振舞ったところ意外にもラーメンが好評だったのです。そこで一念発起し、当時旅行社に勤務していた隅田さんは脱サラしてラーメン店経営を決意。今日も、気軽な日本食としてラーメンを求める地元民で賑わいを見せています。
現在ドイツには約3万人の日本人が暮らしています。なかでもドイツ北西部に位置し、経済都市として知られるデュッセルドルフには、何と6000人もの日本人が暮らし、通称「日本人通り」と呼ばれているインマーマンストリートは歩いている人の半数近くが日本人。日本料理店や書店などが数多く軒を並べ、「ここは日本?」と思ってしまう錯覚に陥るほどです。
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ドイツで最も有名な日本人、それはヨーデル歌手・イシイタケオさんです。ドイツ南部のバイエルン州、アルプスの麓で暮らす石井さんは、ドイツで最も著名なヨーデル歌手として知られています。ドイツにおけるヨーデル歌手は、日本でいう民謡歌手のような存在。現在プロとして活躍しているのは、ドイツでは日本人の石井さんただひとりなのです。きっかけは、いまから30年ほど前。学生時代、語学留学のためドイツを訪れていた石井さんは、地元の酒場で趣味のヨーデルを披露したところ、大喝采を浴びました。「おまえの歌なら本場で通じる」。これを契機にスイスでヨーデル歌手をはじめた石井さん。その後、ドイツで国民的に有名な民謡歌手のマリア・ヘルヴィックさんに誘われ、ドイツで本格的に活動を開始。以降26年、ヨーデル独特の発生法を極めるため毎日練習を欠かさず続けているそうです。これまでに20枚以上のアルバムを発売し、いまではヨーロッパ中のヨーデルファンにその名を知られるようになりました。最近はバラエティー番組に出演するなどして、若者の間でも人気が高まり、「アルプスの石井さん」として、ドイツで一番有名な日本人と言われているのです。
19世紀末の日本を舞台に、トム・クルーズ、渡辺謙ら豪華キャストが共演し、世界的なヒットを記録した、映画・「ラスト・サムライ」。ヨーロッパ各国でも公開されるや、多くの観客を動員し、高い人気を得た作品です。その「ラスト・サムライ」のドイツ語版で、渡辺謙演じる侍・勝元役を吹き替えたひとりの日本人オペラ歌手がいます。タナベ・トオルさんです。高校時代、「フルート奏者」として音楽の道を志していた田辺さんは、ザルツブルグにあるモーツアルテウム音楽大学フルート課に進学。ここでオペラの魅力に目覚めた田辺さんは、突如オペラ歌手の道に転進しました。本場オーストリアの名門・グラーツ音楽大学オペラ科の門を叩いた田辺さんは、めきめきとその才能を発揮。オペラ発祥の地イタリアで開催されるカタラーニ国際オペラコンクールで入賞。近年は多くの劇場に「客演歌手」として招かれるなど、若手オペラ歌手としての地位を確立しています。そんな田辺さんのもとに持ち込まれたのが、映画「ラスト・サムライ」の吹き替えという話でした。
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前々回 フランスW杯で韓国代表を率いた監督チャ・ボングンさんです。チャさんは1979年、26才の時、ドイツブンデスリーガ・フランクフルトに入団。FWとして、活躍し一躍人気者に。その後、1989年までの10年間、ブンデスリーガのピッチに立ちつづけ、外国人選手としては史上2番目となる98得点の記録を残しています。そして現在、チャさんが活躍したフランクフルトで活躍しているのが、彼の息子、チャ・ドゥリさん。父親と同じくFWとして、徐々に頭角をあらわしつつあり、さらなる活躍を韓国・ドイツ両国のファンに期待されているのです。
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ドイツにはこんな変わった法律や規則も。ポルシェやBMW、メルセデスベンツなど、ドイツには世界的な自動車メーカーが数多く存在し、ヨーロッパでも有数の車社会として知られています。そんなドイツでは変わった法律が存在するのです。ドイツにおける自動車運転免許の有効期限は無期限。一度免許を取得すれば、いつまでも自動車を運転することが可能なのです。そのため、免許証の写真が30年、40年前のモノクロ写真なんてことも。現在はEU共通の免許証を取得するのが主流ですが、これもまた更新の必要はありません。実はほとんどの欧米諸国ではこのように免許の更新がないのです。また免許証に貼られているは証明写真、みんな斜めに写っています。これは欧米人は東洋人に比べほりが深いため、斜めに顔を見せたほうが立体的で判別しやすい、との理由。
また、ドイツでは法律的にペットの取り扱いがとても厳格な国。特に犬や猫については厳しく、法律で生後2ヶ月以内の子犬を親から引き離すことが禁じられています。そのため、日本のペットショップのように、店頭に可愛らしい子犬が並んでいる光景は見られません。犬を飼おうと思った人は、まず申し込みを行い、子犬が産まれ、さらに2ヵ月親元で育てられてから、ようやく飼うことが出来るのです。
ドイツ人は散歩好きとしても有名です。1日1回、それもかなり長時間に渡って散歩するという人も少なくありません。「二日酔いで体がだるい…それなら散歩したほうが良い」「食べ過ぎでお腹が苦しい…それなら散歩した方が良い」という具合に、「散歩=体に良い」というのが常識になっているのです。朝の公園やビジネス街に通じるこういった道路でも、散歩する人たちを見かける事はドイツでは至極当り前なのです。
またドイツではあるものに自分の名前をつけることができます。毎日のニュースで連呼されることから宣伝などに有効とされるものなのですが、それは新しく出来た高気圧、低気圧。これは、1954年からベルリン自由大学気象学部が運営資金を得るために始めたサービスです。ちなみに低気圧は199ユーロ 約30000円、高気圧は299ユーロ 約45000円となっています。仮に現在関東地方に停滞中の低気圧に香取編集長がお金を払えば「香取低気圧が関東地方を停滞中で・・・」などと報じられるのです。
日本との関わりなど、あまり知られていない様々な顔を持つドイツ。来週ドイツに乗り込む香取編集長も勉強になったはず。
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