2015年10月

10月31日放送 「まじょのウィニー」

作 者:ヴァレリー・トーマス 文
コーキー・ポール 絵
もとした いづみ 訳
出版社:静山社

魔女のウィニーの住む家は、外も中もまっ黒。おまけに、ねこのウィルバーも黒いので、困ったことが起こります。ウィニーはウィルバーがどこにいるかわかるように、ちょっとした魔法をかけるのですが…。 魔女の家の外観から室内まで詳細に描かれていて楽しくなります。
オーストラリアのヴァレリー・トーマスとイギリス在住のコーキー・ポールがタッグを組んだユニークで心優しい魔女ウィニーと、相棒の黒ねこウィルバーのゆかいなシリーズ・第1作目で、チルドレンズ・ブック賞受賞作品。
朗読:
伊倉 一恵(青二プロダクション)

10月24日放送 「おじいちゃんの
 ごくらく ごくらく」

作 者:西本 鶏介 作
長谷川 義史 絵
出版社:鈴木出版

おじいちゃんと孫の絆を描いたお話。キーワードは「ごくらく(極楽)」。おじいちゃんとの楽しい時間、やがて訪れる死。二つのまったく異なる場面を、このキーワードが結びつけます。
本の中から笑い声が聞こえてきそうな元気でほほえましい絵と言葉から一転、悲しいシーンへ。最後は、また“ぼく”の前向きな言葉。読み聞かせでは、「まさか本当におじいちゃんが極楽へいくと思わなかった」と子供から大人まで涙する人が多いそうです。 登場人物の心情が切々と伝わってくる文章、表情豊かな絵。心揺さぶる一冊です。
朗読:
松田 洋治(アクトレインクラブ)

10月17日放送 「ふたごのどんぐり」

作 者:上野 与志 作
いしい つとむ 絵
出版社:文研出版

秋になり、耳をすますと、ちゃいろくなったどんぐりたちのおしゃべりがきこえてくる…。
その年の夏、いつものようにかしの木は、どんぐりたちをたくさんみのらせていた。そのなかにふたごのどんぐりがありました。頼もしいお兄ちゃんがドン、少し甘えん坊の弟がグリ。2人は仲がよく、ずっといっしょにいると約束していました。親木と別れたり、どんぐりを食べようと狙ってくるリスやカラスのしゅうげきからも逃れ、成長していきます。そして、小さな芽をつけ、旅立ちの日が…。
ふたごのどんぐりの成長を通して、いのちのつながり、そして、優しい色彩で美しい四季の移り変わりが描かれた心温まる絵本です。
朗読:
藤田 淑子(青二プロダクション)

10月10日放送 「ぼくのたいせつなひ」

作 者:ママダミネコ 作・絵
出版社:ひさかたチャイルド

朝起きたら髪の毛は変な形で、パンを焼いたら真っ黒焦げで、お気に入りの上着のボタンは取れかかっている。今日は大切な日だっていうのに!…でも、お父さんがぼくの髪の毛にドライヤーをあてて、コーンフレークをもってきて、上着のボタンも付け直してくれたよ。それから、お父さんとぼくはお出かけ。途中でチューリップとプリンを買って、向かったのは病院。今日は、お母さんと生まれたばかりの弟に会えるんだ!
お父さんと一緒に過ごすうれしさや新しい家族に会える、はずむような期待が伝わってきます。
家族がふえる「大切な日」の子供らしいわくわくが微笑ましい絵本です。
朗読:
松田 洋治(アクトレインクラブ)

10月3日放送 「あかいはねのふくろう」

作 者:フェリドゥン・オラル 文・絵
広松 由希子 訳
出版社:復刊ドットコム

原画展では、行列ができるほど人気のトルコの絵本。
ふわふわのうぶ毛につつまれた、ふくろうの子。子どもの羽は、まだ白く、わずかに赤い染みができた程度。早く両親のような、立派な赤い羽根を持ち、大空を飛びたいと夢みています。そんな子どもふくろうが、初めての友達・ねずみと出会う。ねずみは、子どもふくろうの羽を赤くするために奔走するのだが…。
色彩豊かで鮮やかな赤が印象的です。同時にとても優しさと温もりのある絵が魅力的な絵本です。
朗読:
かかず ゆみ(アトミックモンキー)

2015年9月