2015年9月

9月26日放送 「つきをあらいに」

作 者:高木 さんご 作
黒井 健 絵
出版社:ひかりのくに

きれいに見える夜空の月も、一年に一度、キツネたちが山の池で洗うと、もっと美しく輝くのです。どうやって洗うかって?キツネのコンタとおじいさんといっしょに、一生懸命お手伝い!満月の夜を待って出かけてみましょう。
高木さんごの奇想天外なストーリー、そして、黒井健が優しい色彩で描く、美しい満月と可愛らしいキツネたちなどが幻想的で、満月の夜が待ち遠しくなります。
お月見の季節の読み聞かせにぴったりの一冊です。
朗読:
藤田 淑子(青二プロダクション)

9月19日放送 「あんやと!ばあちゃん」

作 者:小坂 直樹 作
たかす かずみ 絵
出版社:ストーク

「あんやと」は、金沢では「ありがとう」の意味、おもいやりのことばです。
家族や友達にいつも「あんやと」と、ほほえみをたやさないおばあちゃんと愛情あふれる家族と介護のお話です。
介護士でもある作者により、在宅介護で大変なトイレ、入浴、そして、通院の様子が臨場感たっぷりに描かれていて、共感したり、励まされる読者も多いそうです。「あんやと」という、このやさしい言葉に込められた、“思いやり”、“感謝”、“ゆるし”の気持ちを多くの人に知ってもらえたら…との願いが込められた優しい絵本です。
朗読:
かかず ゆみ(アトミックモンキー)

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9月12日放送 「ずーっと ずっと
だいすきだよ」

作 者:ハンス・ウィルヘルム 絵・文
久山 太市 訳
出版社:評論社

犬のエルフィーと男の子は大の仲良し。いっしょに大きくなった。年月がたって、ぼくの背がのびる一方で、愛するエルフィーはふとって動作もにぶくなっていた。散歩にも行けなくなった。そしてある朝、目がさめるとエルフィーが死んでいた。深い悲しみにくれながらも、ぼくには、ひとつ、なぐさめが、あった。それは…。
人間だろうと動物だろうと、大切な人に本当に気持ちを伝えるには、言葉に出して言わなくてはわからないこと、さらに、それがやがてやってくる「死」をいたずらに嘆くことなく、思い出が悲しみをも癒し、なぐさめてくれるだろう、という深いメッセージが込められた絵本です。
朗読:
松田 洋治(アクトレインクラブ)

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9月5日放送 「あいつとぼく」

作 者:辻村 ノリアキ 作
羽尻 利門 絵
出版社:PHP研究所

「ぼくは、あいつが好きじゃない。だって、いっつもいばっているし、らんぼうだし、自分勝手だし。 それに顔がなんかおっかないんだ。」
運動会でやる二人三脚の練習。走るのが苦手な僕はとっても気が重い。
先生が言った。 『せのたかさの じゅんばんで 2れつに ならんで。 おとなりのひとと ふたりひとくみに なりましょう』
タイプのちがう2人の少年が、二人三脚でペアを組むことになりました。練習をとおして近づいていく2人の少年。仲良しになるわけではありませんが、その微妙な距離感、少年の微妙な心をえがいたさわやかな絵本です。
朗読:
伊倉 一恵(青二プロダクション)

2015年8月