アメリカ合衆国。その本土最北部に、旧グレート・ノーザン鉄道に沿って続く大陸横断道路・国道2号線がある。開拓の時代の象徴ともいえるこの道を、人々は親しみを込めて「ハイ・ライン」と呼び行き来する。今回はアイダホ州ボナーズ・フェリーからモンタナ州に入り、リビー、ホワイトフィッシュ、カリスペル、グレイシャー国立公園、カットバンクを経て、ハヴァーへ・・・。カナダとの国境近くに続く街道沿いには、ネイティヴ・アメリカンと共存の道を探りながら大自然を切り開いた開拓者たちの足跡が残る。大地を流れる川は、ロッキー山脈を分水嶺にその方向を変える。険しくも美しさを讃えた雄大な風景。人々の胸に宿る大陸横断道路への想いと共に、国道2号線を進む。

◆写真　Paul Christian Gordon