標高2000メートル級の山々に囲まれた、高原の道を進みます。盆地を流れる川の畔に、楚雄黒井古鎮という山の里がありました。この一帯は彝族と呼ばれる民族の自治州です。山の斜面に立ち並ぶ家並みが、旅情を掻き立てます。
入り組んだ路地で店を構える男性が、この地は古来宮廷でも珍重された塩の産地で「千年塩都」と呼ばれていると語りました。
民族衣装の婦人が、都会に嫁入りする女性を送る会があると誘ってくれました。花嫁さんは、塩を使った郷土料理を前に、「嫁ぎ先でもこの味は忘れない」と顔を綻ばせていました。
古鎮を後に山道を進むと、目の前に土林と呼ばれる絶景が姿を現しました。地層を、風雨が長い年月をかけて浸食した土の柱が立ち並びます。
塩と土林。雲南の高原は、まさに険しくも豊かな土地だと気付きました。

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