まるでタイムスリップをしたような味わいの町・コロアに着きました。
ここにはサトウキビのプランテーションで栄えた1950年代の町並みが残っています。賑やかな声に引かれて、店を訪ねます。「ここに来ればなんでも揃う、生活には欠かせぬスエオカ。街の人にずーっと愛されてきたの」、と買い物のご夫妻がいいます。
支配人が、街の繁栄の基となったモニュメントがあると教えてくれました。この町は、1835年、カウアイ島で初めて製糖工場が作られた場所です。サトウキビのプランテーションのため、東西から7つの民族が集い、それぞれに汗を流しました。それが、誰でも受け入れるアロハ精神につながったとの老人の説明に、何故か納得しました。
街道をゆくと、古びた廃工場が見えてきました。時代の流れとともに、砂糖産業は衰退し、この工場も、25年前に閉鎖されたといいます。今では、島に一つの製糖工場もないです。まるで、つわものどもの夢のあと。訪れる人もなく、変わらぬハワイの風が吹き抜けていました。

♪　My Hawaiian Heart / Jim "Kimo" West