世界の街道をゆく

毎週月曜〜金曜よる8時54分から放送

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2021年2月5日(金)の放送内容

レイキャビクの郊外に出ると、山々の裾野で草を食む羊を目にしました。10世紀頃、ヴァイキングがこの地に連れて来た羊は、人々の暮らしに欠かせない家畜です。
アラフォスという滝の近くに、ニット製品で知られるモスフェルスバイルという町がありました。女性が100年以上の歴史を持つ老舗を教えてくれます。オーナーが手にするのは、染色していない天然の毛糸。この国の羊の数およそ50万頭。対して人間は36万人。羊の方が多いのだと笑顔を浮かべました。
町の一角に毛糸工場がありました。これは巨大な圧力釜を使った染色作業です。主任が、「ここで生産される毛糸は高品質で知られ、6割近くが世界中に輸出されている」と胸を張ります。
出来上がった毛糸で編み物をする女性は、みんな編み物が得意だと微笑みました。出来上がった製品には、編んだ人の名前が記されます。手編みのセーターには、大自然の中で暮らす人々の想いが編み込まれているのです。

♪ Grow / Sóley