1989年、バルト三国の人々が手を繋いだ、ソ連からの独立運動『バルトの道』。その北側の拠点となったエストニアの首都タリンに着きました。塔の上に国旗が翻る、トームペアと呼ばれる丘の上に向かいます。
威厳を放つ建物が並ぶこの地区は、かつて権力者や貴族が居を構えた場所です。13世紀に建てられた城砦の中に国会議事堂がありました。
議員のクロスさんに案内してもらいます。ここは18世紀最初の議会が開かれた部屋。こちらは20世紀初頭に改装された議事室。2017年にはEUの総会が開かれた部屋です。タリンのシンボルと言われる塔へ昇ると、国旗が誇らしげに翻っていました。
1989年8月23日、人々はこの国旗を見つめ、人間の鎖を繋いだのだと、当時学生だったクロスさん。その眼差しに、今は政治家として未来の国造りに向かう意志が見てとれました。

♪　Goin' on （Strings Version） / 新倉瞳Quartet