世界の街道をゆく

毎週月曜〜金曜よる8時54分から放送

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2020年7月15日(水)の放送内容

ラトビアの首都リガを巡ります。通りには、帝政ロシア時代に帝国六大都市の一つに数えられた立派な街並みが続きます。建物を飾る装飾に目を奪われました。これは19世紀末のヨーロッパで生まれた新芸術・アールヌーヴォー。ドイツ語でユーゲント・シュティールと呼ばれる装飾様式で、曲線や人体、動物、植物をモチーフとしたものです。カメラを手にした女性が、「素晴らしい被写体だ」と話しかけてきました。
これらの建物が造られた20世紀初頭、ドイツ帝国の影響のもとリガは建築ブームで、僅か10年の間に妍を競うかの様に建物が軒を並べて行ったと言います。通りで暮らす親子の表情に、町の輝きが重なります。
広場に向かうと、道ゆく人々が見上げる塔がありました。高さ51メートルの自由記念碑。20世紀初頭の独立戦争を記念して建てられたもので、ソビエト連邦時代も壊されることなく、人々の心を支えてきました。
老人が静かに呟きます。この空は、いつの時代もラトビア人のものだと。

♪ プロコフィエフ: バレエ《石の花》 〜ワルツ / Mischa Maisky, Martha Argerich