アーメダバードからおよそ930キロを走り、インドでサファリを楽しめると聞いてギルにやってきました。
ギルはグジャラート州きっての人気リゾート地だといいます。「世界で唯一のインドライオンが見られるスポットだ」と、ホテルの楽器弾きが陽気に薦めてくれます。
それは、ギル国立公園です。
園内でアフリカ系の黒人たちを多く目にします。植民地時代、インドライオンはイギリス人やマハラジャによるハンティングで激減。マハラジャは個体数を回復させようと野生動物を熟知するアフリカの人々を呼び寄せたというのです。今、その末裔がサファリのガイドを勤めているのだそうです。
かつてのマハラジャの狩猟場をゆきます。すごい人だかりができていました。彼らの目線の先には、メスのライオンが2頭。昼寝をしています。「乱獲で15頭まで減ってしまったが今は600頭まで回復させた」と、黒人ガイドが目を輝かせます。
イギリス領インド帝国にあった、思わぬ歴史の断章です。

♪　Rang De Basanti / Daler Mehndi & Chitra