ルクソールは古代遺跡を巡る観光客の拠点として一年中賑わう町ですが、ここには地元の人たちの日常も息づきます。
駅前から続く大通りを抜け、人々の暮らしの場、スークと呼ばれる市場へ向かいます。店先に並ぶのは、スパイスやハーブです。
この店で売っているのは乾燥させたナツメヤシの実です。どれも昔から料理に使われて来たと、親爺さんが笑います。
ここはパン屋さんです。古代エジプト時代からの主食だと配達の人が胸を張ります。
強い陽射しの中、喉を潤してくれるのが、サトウキビのジュースです。絞りたてを飲めば、爽やかな気分になると女性たちが笑顔で飲み干します。
職人が見事な手つきで焼いているのは、ラマダンの期間に口にする、特別な食べ物です。出来上がりは、なんとなく、春雨みたいな感じです。
数千年前の古代遺跡と共に、今を溌剌と生きる人々がいました。
大河ナイルが育む古代からの道は下流に向かってまだ続いてゆきます。

♪　瞬間よ / Vocal 工藤亜紀