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2019年9月4日(水)の放送内容
夜明けと共に、ナセル湖の畔に佇む遺跡に向かいます。
アブ・シンベル大神殿は、紀元前1270年頃即位し、英雄としてその名を知られる王・ファラオ、ラムセス2世が築いた神殿です。
昇る朝陽が入り口に鎮座する高さおよそ20メートルの4体のラムセス2世の像に表情を与えます。その名は太陽神ラーに由来するといわれています。
訪れた青年が「この時間に来てこそ、王の偉大さを感じられる」と言います。
差し込み始めた光に映し出される8本の列柱も、神の姿を借りたラムセス2世です。
壁面には武勲を描いたレリーフが並びます。
光は至聖所に達します。
神格化されたラムセス2世と3人の神を祀った場所です。
この神殿は、アスワン・ハイ・ダムの建設で水没の危機にさらされましたが、ユネスコの支援で5年に渡る大工事の末に1968年に無事移築されました。
青年時代に工事に携わった老人が、「全てが終わり、湖を見つめるファラオの像を見たとき、3000年以上の歳月を超えて、ラムセス2世の威光が蘇るのを感じた」と、語ります。
♪ Sun / Thomas Bergersen


