世界の街道をゆく

毎週月曜〜金曜よる8時54分から放送

Canon

バックナンバー

2019年3月6日(水)の放送内容

コルカタを後に、田園が広がる道を進みます。ここベンガル地方は、国境を越えて隣国バングラデシュに跨り、緑と水が豊かな土地として知られています。
アジア人初のノーベル文学賞を受賞した詩人タゴールは、コルカタの裕福な名門に生まれ、この地を庭のようにして育ちました。彼は農業の発展が英国からの独立に繋がるとの願いから、農機具を寄贈し、互助組合を組織し、精米所を作り、尽力しました。
人々が農作業に励むこの田園を、タゴールはこう詩に綴りました。

 神よ、私たちの大地と水を、大空と果物を、どうぞ甘美なものにしてください。

人々の笑顔が、タゴールが祈った実りを素直に実感させてくれます。
グシュカーラという町に着きました。街道筋の農産物の集散地です。通りにタゴールの像がありました。
「インドとバングラデシュ、二つの国の国歌をタゴールが作ってくれた。ベンガルの大地に託したタゴールの想いは、この大樹のように大きく育っている」と、町の人が胸を張りました。

♪ インド国歌(Jana Gana Mana) / 作詞作曲:ラビンドラナート・タゴール