オハイオ州内陸部へと続く道。タイヤを積むトラックが目につきました。後を追います。
アクロンにやって来ました。街道沿いで巨大な黒い物体を見つけます。「これはタイヤを使ったアート作品よ」と、ご婦人が振り向きました。
実はアクロンは自動車産業の発展に伴い『ゴムの都』と呼ばれ、かつては4社にも及ぶタイヤメーカーがありました。「今はグッドイヤーを残すのみとなったのが残念だ」と、街の人が話します。
タイヤのゴムを使ったもう一つの名物がありました。自宅のガレージで営むワークブーツの修理屋さんです。
靴底にゴムを当て、切り取ります。強力なミシンは貼り付けたアウトソールを縫い付けます。
産業が著しい発展を遂げる中、厳しい条件下で働く労働者の要求に応えるために作られたワークブーツ。「そのゴムによる、軽量かつグリップ性に優れた靴底は、この国の“発展の歴史”とともにある」と、親父さんが目を細めました。

♪　Walk, Don't Run / THE VENTURES