漢中盆地に向かい、川沿いを走ります。
成都から漢中へ向かう古い一本道は、雨で車が立ち往生です。スリップするのは当たり前、あわや横転という事態の車もあります。1800年もの昔、諸葛亮たちがここを歩んだ時の大変さは、いかばかりだったでしょう。
漢中盆地の入り口に、要塞が現れました。古陽平関です。漢中を巡る数多の戦が行われてきた要衝です。
城壁の中に、道教寺院がありました。聞くと、その歴史はなんと2000年。三国時代以前からあるというから驚きです。
「寺はこの地を行き交った人々、国々の栄枯盛衰を見守ってきました。これからも、この寺はそうあり続けることでしょう」と、導師が語ってくれました。
導師たちは家庭を持ちません。ここで生涯を独り身で過ごしながら、祈りを捧げます。
今は畑となった戦の舞台に、恵みの雨が降り続いていました。

♪　道 / Chen Min