世界の街道をゆく

毎週月曜~金曜よる8時54分から放送

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2017年11月9日(木)の放送内容

日本人の子孫が暮らすという、大邱近郊の友鹿洞に着きました。
男性が見せてくれたのは韓国の家系図です。『金忠善』という名前の横に『沙也可』と書かれているのが、始祖の日本人名だといいます。『沙也可』とは、どんな人物なのでしょうか?
直系の子孫を訪ねました。
霊廟の前に立つのは、12代目の金相保(キム・サンボ)さん。キム氏の見つめる先に祀られていたのは、沙也可将軍の位牌です。沙也可将軍は16世紀に秀吉の文禄・慶長の役で朝鮮に渡るも、儒教の礼の心に心服し投降した人物です。
この鹿洞書院は沙也可将軍の遺志を継ぎ、子子孫孫、儒教を学ぶために作られた学校です。「私たちの始祖が、故郷への恋しさから日本へ向けて作った門だ」とキムさんが言います。
この地を愛しながらも、故郷を想う将軍の詩
 南風が吹いて、風が入ってくる・・・
 しかし、息を殺して待っても、
 故郷から訪れる人は居ない・・・
「400年という歳月が流れた今も、沙也可将軍の想いを知る我々がこの地で暮らしているのだ」と、キムさんが真摯に語ってくれました。

♪ 笛 / ソンソルナム, “K”String 「イ・サン」オリジナル・サウンドトラックより