エーゲ海に突き出たアッティカ半島。アポロ・コーストと呼ばれる海岸を進みます。
行く手に岬が見えてきました。スニオン岬。紀元前5世紀に再建された、海の神・ポセイドンを祀った神殿で知られる岬です。
大理石の円柱で築かれた、ドーリア様式の神殿が残っていました。訪れた女性が、骨組みだけになってしまった建物に遥かな時代を重ねます。
女性が一人佇みます。19世紀のギリシャ独立運動に参加し、この国で命を落とした英国ロマン派の詩人・バイロンのサインに眼差しを向けていました。

私をスニオンの大理石の坂においてくれ
そこには波と私以外は何も無い
互いが交わす囁きに耳を傾けてくれ
私は白鳥のように歌うことも死ぬことも出来る

バイロンはそんな言葉を残したといいます。
エーゲ海・神々の黄昏・・・。

♪　AQUATIC DANCE / VANGELIS