エル・マイテン。防風林の緑鮮やかなこの町は、世界中の鉄道ファンが憧れるオールド・パタゴニア急行が走る町です。街道には、鉄道の敷設に携わった労働者のモニュメントが建っていました。
蒸気機関車の運転士が、「1945年に敷設され、開拓の一翼を担った鉄道だが、1993年に役目を終え廃止。今は、保存鉄道として夏の間だけ運行しており、今日がそのオープンニングの日だ」と語ります。
そよ風が吹き抜けるホームでは、町の人々がセレモニーの準備に精を出しています。「今年も夏がやって来た」と、女性が笑顔を浮かべます。
国歌斉唱でセレモニーの幕開けです。参列者の中には、ミス・パタゴニア急行の姿もあります。
地元の子どもたちのフォークダンスで、セレモニーは最高潮へ向かいます。そして、テープカット。
運転士が誇りを胸に機関車を発車させます。19世紀末まで、パタゴニアは永遠に人を寄せ付けない荒野と言われましたが、人はこの地を開拓し、歴史を刻んでゆきます。

♪　El mundo entre las manos / ALMENDRA