アルゼンチン南部に広がるパタゴニアの町、サン・カルロス・デ・バリローチェ。
かつてスイス人入植者によって拓かれ避暑地として知られるこの町は、夏の爽やかな空気に包まれています。青年が「ブエノス・アイレスでは気温40度を越しても、ここは20度くらいだ」と教えてくれます。
アンデス山脈から吹く風が湖水を波立たせ、木々を揺らします。風はパタゴニアの代名詞です。
太平洋を渡って来た強い偏西風は氷を頂くアンデス山脈にぶつかり、様々な風を呼び、冷やされ、この地に吹きすさびます。「この風に吹かれ自然の息吹を感ずることが、町の楽しみ方だ」と若い女性が笑顔を投げかけます。
「これから一番素敵な時間が始まる」と母娘が目を輝かせ、湖を見つめます。
風が弱まり、黄昏がゆっくりと辺りを包み込んでゆきます・・・。

♪　Walking through Clouds / BERNWARD KOCH