世界の街道をゆく

毎週月曜〜金曜よる8時54分から放送

Canon

バックナンバー

2017年4月4日(火)の放送内容

アルゼンチン南部。アンデス山脈の麓に、サン・カルロス・デ・バリローチェの街並みが広がります。標高770メートル。ナウエル・ウアピ湖の畔に拓かれた、パタゴニアの玄関口として知られるこの町から旅を始めます。
広場に立てば、湖からの風が頬を撫でていきます。周りに並ぶ石造りの建物が、ふとスイスを思わせます。
市役所の職員が、「町は、18世紀にイエズス会の宣教師が布教地として拓いたが、先住民との諍いで荒廃。20世紀初頭、スイスを始めとするアルプスからの移民が再建したことから『南米のスイス』と呼ばれているのだ」と語り、風渡る湖を見つめました。
今はリゾート地として繁栄する通りの一画に、およそ100年前、スイス人のコミューンだった時代の建物が残されていました。朽ち果てたその佇まいに、自然の厳しさを感じます。人々はここで風雪に耐え、町を築き上げたのでしょうか・・・。
親爺さんが「なあに、パタゴニアではこの程度の風は微風だ」と高らかに笑いました。

♪ DALE LUZ AL INSTANTE / Luis Alberto Spinetta