セントルイスからルート66をおよそ510キロを辿り、シカゴに着きました。ミシシッピ川の支流イリノイ川と運河で繋がる、ミシガン湖の畔に築かれた大都市です。
町に入るとルート66の終点と起点であることを示す標識がありました。黒人カップルがブルースゆかりの地を教えてくれました。
マーケット・プレイス。ブルースはミシシッピ川のデルタ地帯から、グレート・リバー・ロード、ルート66を経て、この町に伝わったといいます。ブルースマンたちは市で賑わうこの通りで演奏を繰り広げ、1940年代末頃に、エレキギターを使ったシカゴ・ブルースが生まれました。
その生きるレジェンド、バディ・ガイが経営するライブハウスを訪ねます。壁には友人のジョン・リー・フッカーを始め、キース・リチャーズ、ジェフ・ベックらのサイン入りギターが並んでいます。今夜の演奏は英国人と黒人のバンドです。やがてブルースはこの地から英国へと渡り、ロック・ミュージックに大きな影響を与えました。
「シカゴ・ブルースはこの町の鼓動なのだ」と、マネージャーが目を細めました。

♪　SWEET HOME CHICAGO / Buddy Guy & Junior Wells