イリノイ州北部に続く街道を進みます。
シセロという、シカゴまで13キロほどの町にやって来ました。この町の名が広く知れ渡ったのは、1920年代、禁酒法の時代に悪名高いギャング、アル・カポネが拠点を置いたことからです。
町の一角に、今は穏やかな空気に包まれた住宅街がありました。かつてこの一帯には、東欧から渡って来たカトリック教徒が多く暮らしていたといいます。
19世紀末に建てられたという立派な教会がありました。ポーランド様式の美しい聖堂です。イタリア系移民であったカポネはカトリック教徒であり、彼の妹はここで結婚式を挙げたと記録されています。
カポネは臨終間際、「イエスさま、御慈悲を」と呟いたと伝えられていますが・・・。
「彼も、もっと早く悔い改めていれば神もお許しになったかもしれない」と、神父さんがそっと呟きました。
町を出るとシカゴの街並みが見えてきました。

♪　Route 66 / New York Jazz Trio