アメリカ南部、ミシシッピ州の街道を進み、ヴィックスバーグに立ち寄ります。町の人が、「ここはこの国の歴史において、重要な場所なのだ」と南北戦争の戦場跡を教えてくれました。１８６３年、メンフィス、ニューオーリンズを制圧した北軍は、ミシシッピ川の支配権を奪取するため、南軍の重要拠点であったこの地に４７日間に渡る砲撃を続け、遂に陥落させました。砲弾の痕を見下ろす丘の上には、南北を問わず、この戦いに兵を送った２８の州が建てた慰霊碑が並んでいます。
一際高いオベリスクがあります。その袂にはこの地に散った兵士たちが静かに眠っています。戦場から見下ろすミシシッピの流れ、それはどちらの軍服を着ていようと、命をかけて守るべきものだったのでしょう。

♪　American Horizons / TIM JANIS