バルセロナからおよそ５００キロ走り、ラテン語で半島を意味する町ペニスコラへやってきました。
夏を楽しむ女性が「かつて教皇様が暮らした城よ」と岬を指さします。１５世紀、アヴィニョンの対立教皇ベネディクトゥス１３世は教皇職を追われた後この城でひっそりと世を去りました。
城の下の港に夥しい数の漁船が戻ってきました。地中海の幸は水揚げの後すぐに競りが行われます。
風が吹きぬける海辺のレストランがあります。出された魚は「ヒメジ」。ペニスコラの名物だといいます。シェフはシンプルにオリーブオイルで焼いてくれます。貝やエビの香りがほんのりとする味です。シェフは「親の代から５０年、ここでレストランを続けてきたんだ」と教えてくれます。スペインの夏の陽はいつまでも高く空にありました。

♪　La Isla Bonita / Madonna