サンフランシスコを後にし、北東に進路をとります。目指すのは、カリフォルニア・ワインの名産地として世界的に知られるナパ・バレーです。
街道沿いにちょっと変わったモニュメントを見つけました。ブドウを絞る農夫の像です。「今、美味しいカリフォルニア・ワインを飲めるのは、この像のような先人たちの御陰なのだ」と、ワイナリー巡りの親爺さんたちが語ります。
谷に入ると一面にブドウ畑が広がっていました。この一帯でワイン作りが盛んになったのは、１９世紀半ばゴールドラッシュの時代に渡って来たハンガリー貴族が、良質のワイン造りを夢見て、ヨーロッパから３００種類、およそ１０万本ものブドウの苗木を持ち込んだことからだといわれています。
谷間いっぱいの陽射しと、涼やかに渡る風。豊かな生育環境が育むブドウ。星条旗はためく畑を訪れたカップルが、「今やこの地はワインの歴史の新しいページを造っているのだ」と目を細めました。

♪　 California Dreamin' ／The Mamas & The Papas