アーントーン近郊、バーン・エガラート。街道筋に、太鼓が並んでいます。「ここは、タイ一番の、太鼓の産地なんだ」と、お祭り用の太鼓を叩く少年が、得意げに微笑みます。タイの太鼓は、木を削ってつくった胴に、水牛のなめし皮を張っていきます。
なんとここでは、和太鼓が作られていました。皮をぴんと張ったら、鋲を打ちます。張り具合を確かめながら、和太鼓ならではの残響の最終調整をします。木材は、レインツリー。堅固で良質な材質です。「木の良し悪しと削りが、太鼓の音や響きを決めるのさ」とこの道30年の職人が言います。「タイでつくった和太鼓が、日本で、どんな響きを奏でるのか？それが、今の俺の楽しみさ」職人さんの笑顔と、思わぬところで聞いた和太鼓の響きを胸に旅を続けます。

♪　Driving／Yosuke Onuma