南アフリカ東部に、ボータズ・ヒルと呼ばれる一帯があります。この地方は１９世紀シャカという王のもと、強大な勢力を誇るズールー族の王国があった場所です。ズールー族の人々がイギリス統治後も抵抗運動を続けた彼らの勇猛さを語る伝統の踊りを見せてくれます。ズールー族は今もこの国で最大の人口を占めています。
旅の終りに、マウント・モアランドという湿地帯に立ち寄ります。ヨーロッパやアジアから渡って来たツバメが夏を過ごす場所なのだと、案内板に写真を提供したという管理人の女性が語ります。そしてもうすぐ、ツバメたちが巣に帰ってくる時間だといいます。
気がつけば茜色に染まった空を、驚く程の数のツバメが舞い始めます。その数は３００万羽といいます。季節と共に旅をするツバメ。ふと感傷に誘われます。ツバメが低く降りるまで待機していた旅客機が、空を横切っていきました。

♪　瞬間よ／Vocal 工藤亜紀