モロッコ中部に続く、古来サハラ砂漠からの隊商が往来した道を進むと、アイト・ベン・ハドゥがあります。かつてアラブ人の侵略に備え要塞化された、ベルベル人のカスバ村です。
老人の話では、ほとんどの村人は対岸の新しい村に引っ越し、今、ここに暮らしているのは６家族だといいます。かつて多くの人々のざわめきにあふれた家並み。どことなく哀しみが漂います。
出会った人が、丘の上の建物は収穫した穀物の貯蔵庫で、町は文化財、そして観光用として少しずつだが修復されているのだと語ってくれました。
人の気配がする家を訪ねてみると、少女が織物をしていました。聞けば観光客に売る絨毯だといいます。　
突然、羊が現れました。羊毛をとる大事な家畜。子羊を抱き、少女が微笑みます。もうすぐ友達の家族も村に戻ってきてくれると…。

♪　Old Friends／Hindi Zahra