マラケシュから南へ向かうと、郊外に水をたたえた王家の離宮庭園がありました。かつて東屋に佇んだスルタンの目線の先には、高く聳える高アトラス山脈が見えていたことでしょう。カスバ街道はあの山の彼方、ティシュカ峠の向こうに続いているのです。
山間に続く道。この辺りからは先住民ベルベル人が暮らす土地です。往来が激しくなってきました。市が開かれているようです。周りの村々から来る人々は、買い物はもちろん情報交換もお目当て。週一回開かれるこの市を心待ちに日々を過ごすのだといいます。
モロッコで最も高い所を通っているという道を進みます。この道最大の難所ティシュカ峠に着きました。標高２２６０メートル。車を降りた人が語ります。昔のキャラバン隊はどんな想いでここを辿ってきたのだろうと。

♪　Apres la pluie／Rene Aubry