2013年01月20日 09:30

 こんにちは!“題名舞台裏ウォッチャー”キャンディーです。今日は大寒ですね。東京でも成人の日に降った大雪がまだ随所に残っているため、寒さが厳しい1週間でした。                          
東京がそんな大雪に見舞われている頃、佐渡さんはロンドンでロンドン交響楽団との演奏会がありました。終わるや否や兵庫に戻り、すぐさま兵庫芸術文化センター管弦楽団とのリハーサルに入り、金曜日から今日20(日)まで定期演奏会です。フランスをテーマとした演奏会ですが、ソリストは「題名のない音楽会」から生まれたスター、フルート奏者の新村理々愛さんが務めています。彼女は今アメリカに留学中なのですが、ぐんぐん成長されている様子が、これからも目が離せません。

                                      さて、今日の放送は久しぶりの名曲百選シリーズ、第19弾としてマーラーの交響曲「第6番」を特集しました。ここ数年、マーラーは「生誕150年」「没後100年」を迎えていたこともあり世界中でマーラーブームが再燃していましたが、そもそもマーラーの死後はマーラー作品はさほど再演される機会がありませんでした。それを今日の人気交響曲と呼ばれるまで引き上げたのが、レナード・バーンスタインでした。1960年代から積極的にニューヨーク・フィルと共にマーラーの交響曲の演奏・録音を行い、「We Love マーラー」というキャンペーンも展開し、新しいマーラー像を築き上げました。
佐渡さんがバーンスタインに師事していた頃、バーンスタインがウィーン・フィルとこの「第6番」を取り上げたことがあったそうです。リハーサル時、第1楽章冒頭の暗い行進曲を演奏するのにあたり、バーンスタインは「ここはナチスの行進だ!」と解釈し、実際にナチスの敬礼の仕草を真似してから指揮したそうです。佐渡さんはその光景を強い衝撃と共に鮮明に覚えている、とお話しされていました。
マーラーの時代にはまだナチスは存在していなかったものの、マーラーと同じくユダヤ系のバーンスタインだからこそ感じる何かがあったのでしょう。この作品はよくマーラーのこの先を暗示した「予言的な作品」と呼ばれていますが、むしろ逃れられない宿命を書いていたのかもしれません。                               
マーラーは自分の作品の背景についてあまり語っていませんが、明らかに全作品に共通する「ある流れ」があります。推理小説のような魅力と佐渡さんもお話しされていましたが、これをきっかけにマーラー作品をお聴きになって独自の解釈でテーマを見つけるのも面白いですよ。

視聴者からのコメント
2013年01月20日 13:20
まさやん

教会じゃ結婚式も子供の誕生祝いも葬式もやるけど
日本じゃそういうこと無いですなあ
ってことを考えながら見ていました

2013年01月20日 10:08
ケイト

よくぞ取り上げてくれました。マーラー交響曲第6番「悲劇的」。なんだか気になる曲でした。マーラー作品の中でも1番、2番、5番ほど演奏される機会は少ないけれど魅力的な曲だと思います。レニーの最後の愛弟子として佐渡さん!マーラー作品もどんどん指揮してください。