2009年11月29日 09:30

いつの間にか街のあちらこちらから「ジングルベル」が聞こえてくるようになりました。歳を重ねるほど時間が経つのは早いと聞いていましたけれど、本当に夏からあっという間で、明後日には師走になります。題名のない音楽会は今年の公開収録を無事に全て撮り終えました。子供の頃は凄くゆっくりと時間が流れていたから、始業式だとか、運動会だとかが本当に待ち遠しくて、なかなかそうした楽しい行事が来ない気がしていたのに、気がついたら、また第九のシーズンなわけで、「おいおい、忘年会やらなくっちゃ!」みたいになっているわけです。まあ、忙しくなっているということでしょうけど、実は今年最後の収録で、ちょっとした素敵な区切りがありました。それは、今回の収録で、題名の技術チーフを長年務めてくださっていた、早川さんが定年退職をされたのです。オーケストラもそうですけれど、番組を作るには、舞台裏を支える物凄い数のスタッフがいて、その仕事内容はとても複雑です。僕がこの番組を始めて2年、こうした素晴らしい先輩に支えられ、助けられ、様々な分野の専門のスタッフが一緒になって、少しでも良い番組作りをしようと力を尽くしてくれたからこそ、ここまでやってこられたのだと思います。収録後には、ホールの楽屋でチーフ会という名の反省会を毎回行い、それぞれの部署が反省点をオープンにし、なるべくその場で解決策を見つけようと話し合うのですが、早川さんがいてくれたからこそ、全く違う分野の職人たちが、一つの目標に向かうことが出来たのだと思っています。時として厳しい意見交換の場所になるチーフ会、でも今年最後のチーフ会は、早川さんへの花束贈呈式で締めくくりました。きっと定年後も、何らかの形でお世話になるでしょうけれど、早川さん、ひとまず本当にお疲れ様でした!

 

しかし、早川さんの60歳なんて、今日のゲストであるマルローさんを見ていただいたら、比較にならないくらい若いんですね~。95歳ですよ…驚きです!僕には、大勢尊敬する先輩がいらっしゃいますけれど、なんといっても故朝比奈隆先生は93歳まで「立つことが仕事」と練習中も一切座ることなく、生涯現役で指揮をし続けた方です。人は長生きをするために生きるのではないだろうけれど、先生の指揮姿も、そしてマルローさんも、その姿があまりにも美しく、僕も音楽家として、この人生を与えられたのならば、それをどう生き抜くか、お二人の姿から大きな教えを頂いたように思いました。

視聴者からのコメント
2009年12月05日 16:58
ドレミ

幼い頃から大好きな番組です♪クラシックに精通していなくても、いつも心に響く内容です。佐渡さんの語り口は最高!京都出身の私は、癒されます。せっせと観覧の応募をしていますが、まだ1回しか当選していません。今また応募ハガキを書きました。
マルローさんの生演奏は、さらに感動できたでしょうね。50歳を前に、フルートを始めてみました。95歳になれば、いい音出るかな?

2009年11月30日 01:11
松・KAZUHIRO

佐渡裕さん、はじめまして!

題名のない音楽会、という名の
音楽会、いつも楽しみにしています。
朝は非常に苦手なのですが
題名~の日はちゃんと起きて見ています!
毎回ものすごく勉強になります。

出来れば
一時間放送に!して欲しいです。
30分ではカットカットで
あっという間です・・・。

佐渡さんの飾らない、ありのままのトークが好きです。

音楽はこころの栄養ですね^^

2009年11月29日 21:45
takuan

佐渡さん、はじめまして。
今日の題名は録画していて今見ているところです。
手相の話をしていて、佐渡さんに手に「て」と書いてあるとのことですが、徳川家康も「て」と書いてあったと聞いたことがあります。
佐渡さんも、ある意味「天下取り」だということですね。
マドレーヌさんの手も演奏も素敵でした。

2009年11月29日 10:15
kan

こんなに一音一音味のあるピアノの演奏を聴いたのは初めてです!サラサラっと弾きこなすような無機質で退屈な演奏ではなく、音にマルローさんのいままでの歴史や思いを感じ、非常に心地良かったです。マルローさんのように個性のある方がもっと出るとクラシックもおもしろいジャンルになると思います。

2009年11月29日 09:46
piapiaとその母

ブラボー!ブラボー!
とにかく素晴らしかったです。
1つ1つの音の素晴らしさをかみしめるように聴かせていただきました。
私と母の目標とさせていただきます。

2009年11月29日 09:42
サドラー2号

とても心地好い、そして気品の高い演奏を聴かせていただきました。あのお年でピアノを弾かれるということは、腕や指の筋肉を保つことはもちろんですが、目や耳や神経といった身体のあらゆる箇所の老化と上手に付き合ってこられたのだなあ~と感心しました。近年、目の老化に悩まされている身としては、大いに見習いたいものです。

2009年11月29日 09:40
emiemi

こんなにも、ピアノの音って甘いのでしょうか!ちょっとお茶目な少女が目に浮かび、バニラの香りさえ感じてしまいました。
マルローさんの魔法にかかってしまった30分でした。

2009年11月29日 09:38
kabaちゃん

95歳でも本当に若々しい!僕も完全燃焼を目指します!

2009年11月29日 09:30
げ@一介のリスナー

今朝はヴェネチアのサンミケーレまでストラヴィンスキーの墓参りに行った昨年の秋を思い出しました。大作曲家の謦咳に触れ得たマドレーヌ・マルロー女史、近過去ながら歴史の生き証人なんですね。
日本人でいえば、今は亡き伊福部昭先生や早坂文雄先生とちょうど同い歳。それで現役。
なんだかすごい。