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2023年3月4日弥生の壱

大分・国東市
〜草を編む田舎暮らし〜

舞台は大分県国東市。琉球畳の材料「七島藺(しちとうい)」に惹かれ、七島藺農家兼、畳表職人になった田端育代さん(56歳)と夫の山﨑修二さん(56歳)が主人公です。
大阪府岸和田市で生まれ育った育代さんは21歳で結婚。2人の子どもたちに手がかからなくなった頃から、手芸や草木染、薬膳料理などを楽しむように。次第に材料である“草”の奥深さに目覚めた育代さん。道を歩いている時も「この草は食べられる」「これで何かできないかな」と考え始め、そんな“草”への興味は田舎暮らしへの憧れに…。修二さんにその思いを伝えたところ、賛同してくれました。自然に囲まれた場所で、草を使った物作りがしたいと考えた育代さん。仕事を探していく中で、国東市でしか栽培されていない七島藺を知り、移住を決意。2019年、修二さんとともに国東市に移り住むと、2年間かけて七島藺の栽培から畳表作りまでを学びます。こうして2021年4月、2人は晴れて七島藺農家 兼 畳表の職人となりました。
草を探求する中で出会った、国東市の七島藺に魅せられ、新たなチャレンジをしながら田舎暮らしを楽しむ育代さんと修二さん。そして、そんな2人を支える多くの仲間との交流を紹介します。

七島藺を編む機械を扱うのは修二さん。草を引っ掛ける鍵棒の動きが素早く、目では見えないため、音とタイミングをたよりに操作して畳表にしていきます。そんな七島藺の栽培から編み方までを教えてくれたのが、松原正さん(67歳)と恵美さん(62歳)ご夫婦。時折、編んだ畳表を持参して、出来具合をチェックしてもらっています。この日も師匠からのアドバイスを受け、また気合を入れ直した修二さんです。

国東市伝統の七島藺工芸の基本となる縄作り。育代さんは、田舎暮らしの先生でもある稙田さんから学んでいます。“縄をなう”技術はまだまだの育代さんですが、これまでの趣味で使っていた糸や布を、七島藺と組み合わせたオリジナルな工芸品作りも始めています。育代さんならではの発想から、刺激をもらっているという稙田さん。互いに刺激しあう、素敵なお付き合いです。

育代さんは自宅の離れを改装して、農家民泊『草結い(くさゆい)』を始めました。
この日、宿泊したのは竹村さんご家族。まず向かったのは、育代さんの先輩農家のご自宅。飼っているヤギとのふれあい体験です。子どもたちに混ざって育代さんも大はしゃぎ。夕食は、ご近所さんの畑で収穫した大根やほうれん草がたっぷり入ったお鍋にしました。一日を楽しんだ様子の子供たちを見て、育代さんも大満足です。

この日は宿泊のご家族に、七島藺でホウキを作っていただきます。柄の部分にカラフルな糸を使うところが、育代さんのオリジナル。最後に毛先を揃えたら完成です。そして、子どもたちが外で楽しめるように準備したのが、唐箕(とうみ)体験。全力で風を起こして、もみに混ざったゴミを飛ばします。見たことのない、農機具に子どもたちも楽しそう。これからもたくさんの人に宿を訪れて欲しいと願う、育代さんと修二さんです。

楽園通信

くにさき七島藺振興会

畳や工芸品など「くにさき七島藺」については、HPのお問い合わせ欄からご連絡をお願いします。

七島藺農家民泊 草結い

育代さんが始めた農家民泊では、七島藺に触れ、製作体験ができるだけでなく、修二さんの作業場も見学できます。
どんな風に畳表が作られているのか、見て体験して楽しんでください。

問い合わせ時間 午前10時〜午後5時
電話番号:090-4289-6051
1泊2食付 大人8,500円 子ども(6歳〜13歳) 4,000円

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