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2022年4月9日卯月の弐

千葉・市原市
~僕と妻の 情熱イチゴ~

今回の舞台は、田園風景が広がる千葉県市原市。この地に移住し、イチゴを中心とした観光農園を始めた今村文彦さん(42歳)と妻の真弓さん(43歳)が主人公です。
広島県出身の文彦さん。建築関係の仕事をしていた20歳の時、最愛の母を亡くしたことがきっかけで故郷を去ることに。上京すると建設の職人として働きながら、趣味で格闘技を始めます。その後、もっと趣味を極めたいと28歳でタイに渡り、ムエタイの選手として活動。何でも「面白い!」と思う方へ人生を方向転換してきた文彦さん。30歳で帰国後は市場で花の卸業に携わり、フラワーアレンジメントに興味を持つと教室に通い猛勉強します。さらに本場・フランスで学びたいと仕事を退職し、パリを目指して貧乏旅行をスタート。ところが、道中のイタリアで見た広大なオリーブ畑に感銘を受け、今度は「農家になりたい!」と思い始めた文彦さん。なりゆきでパリのゲストハウスで働くことになり、そこへ宿泊客としてやってきたのが真弓さんでした。意気投合した2人は帰国後に結婚。文彦さんは念願の農業をするため、観光農園で2年半研修。その後、市原市に広い農園を借りて夫婦で移住、台風被害など困難を乗り越え2021年にようやく観光農園『La ferme』をオープンしました。
これまで地道に頑張ってきたご夫婦。その姿を見てきたご近所さんは日々声をかけ応援してくれます。直売所に通って来るお客さんたちも、イチゴの美味しさはもちろん、優しく実直なお2人に魅かれていると仰っていました。

ハウス7棟分もの広い農地で育てているのは、「紅ほっぺ」「かおり野」「よつぼし」「章姫」の4種類のイチゴ。週に3日、採りたてのイチゴを敷地内の直売所で販売しています。文彦さんがハウスの一角に作った直売所は、昭和レトロな家具や雑貨が並んだとってもかわいらしい空間。扉を開ければぎっしり並べられたイチゴの甘い香りが広がり、お客さんを笑顔にします。
「その日食べておいしいものを提供したい」と、ヘタのほうまで真っ赤に染まった完熟イチゴを収穫することにこだわるご夫婦。中には完熟しすぎて見栄えの悪い実もあるのですが、日持ちがしないものの甘く大変美味!わけありイチゴとして多めにパック詰めして販売しています。そんな『La ferme』のイチゴは、美味しさを知った地元客の間でまたたく間に大人気となりました。

直売所の営業日には、夫婦揃って日の出とともに収穫を開始します。夜が明けてから収穫するのは、太陽の光で完熟の色を見極めるためです。その後は傷や傷みがないか一つ一つ確認し選別、計量しながら丁寧にパック詰めをしていきます。そして11時に店がオープンする頃には、お客さんの長蛇の列が!この日は、15時の閉店時間を待たず完売してしまいました。
こうして早く仕事が終わると、「ちょっと行ってくる」と文彦さんが向かう場所が…。それはハウスの一角に作った“筋トレスペース”。さすがは元格闘家、ムエタイ選手だった文彦さん、今もこうして体を鍛えているおかげでムッキムキ!真弓さんは「いつも胸をピクピクさせて鏡を見ている」と笑いながらも、そんな夫を温かく見守っています。

この日お招きしたのは、ご夫婦にハウスを貸してくれている地主の早川幸子(ちさこ)さんと、娘の昌子さん。休憩スペースでティータイムを楽しみます。振る舞うのは傷みがあって販売出来ない、「ロスイチゴ」を使ったスムージー。完熟イチゴの甘味に豆乳のまろやかさが加わり、今村家定番・イチゴ農家ならではのスイーツです。
かつて自身が使っていたハウスを今村さん夫婦に貸し、今はお向かいで家庭菜園を楽しむ幸子さん。ハウスの周辺がお客さんで混雑したら、率先して車の整理や案内役をしてくれます。、日々何かと夫婦の世話を焼く幸子さんは、お2人にとって「市原のお母さん」。幸子さんも「夫婦が来たおかげで気持ちが若くなった」そうで、お互いに心強い存在です。移住後、台風の被害に遭いハウスが大破。なかなかイチゴ栽培を軌道に乗せられなかった経験を持つご夫婦ですが、こうしたご近所の皆さんの応援や支えもあって乗り越えられました。

夕方、帰宅したご夫婦。ご自宅は驚くほど広い敷地の中に建つ一軒家で、最近地元の方から借りることになりました。真弓さんが夕食の準備をしている間、文彦さんはというと…、工具を片手に奥の部屋の改装作業。冬は家が寒すぎたそうで、床を剥いでびっしり断熱材を入れる作業から始まり、これから少しずつ改装を進めて行くそうです。
作業が一段落すると晩御飯。この日は真弓さんの得意メニュー、台湾料理の魯肉(ルーロー)飯やイチゴのサラダです。温かな薪ストーブの前に夫婦仲良く並んで座り、おしゃべりを楽しみながらの夕飯。文彦さんはこれまでを振り返り「世界を巡っていた時には、こんな生活が訪れるなんて夢にも思わなかった」と語ります。今後は、ブドウ栽培やフルーツを使ったスイーツの販売、レストラン開業など、まだまだ叶えたい夢を沢山持っている文彦さんと真弓さん。これからの活躍も楽しみです!

楽園通信

観光農園『La ferme』直売所

今村さん夫婦が営む観光農園。
今期のイチゴ販売は4月末まで。その後には、ブロッコリーやトウモロコシがお目見えします。
詳細は、公式Instagramを確認してください。
※多くの方にお買い求めいただけるよう、販売個数を制限することがあります。

営業時間:午前11時~午後3時
営業日:火・木・土曜
※新型コロナの感染状況により、営業時間が変更になる場合があります。

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