栃木・益子町
~ぬくもり伝える 里の木工房~

栃木県益子町が舞台。大好きなものづくりをしたいと木工房『萬次郎家具』を開いた髙須義彦さん(53歳)と田舎暮らしを楽しむ妻の喜代子さん(54歳)が主人公です。
福岡県出身の義彦さん。幼いころから父・忠義さんの傍らで、日曜大工道具を使って遊んでいました。26歳の時に喜代子さんと結婚。大手精密機器メーカーに勤め、顧客担当として、一年の3分の1は海外出張という忙しい日々を過ごしていました。そんな義彦さんには、「のんびりとした場所に移住して、自分のペースでものづくりをしたい」という思いがありました。「自然の多い所で暮らしたい」と考えていた喜代子さんも、その夢に賛成してくれました。そこで、義彦さんは42歳で早期退職。職業訓練校に通い、その後、紹介された木工房で働きながら、理想の移住先を探します。自然が近くのびのびと仕事ができる環境、それが益子町でした。こうして2人は2014年に益子町へ移住。金属加工の工場だった建物を借り、2015年、木工房『萬次郎家具』を開きました。工房の「萬次郎」という名前は、人気者だったひいおじいさんの名前から付けました。
木工房『萬次郎家具』では、テーブルウェアや家具などを制作しています。作品の特徴は、光と影を意識したデザイン。「鉄媒染」と呼ばれる手法を使ったお皿は、鉄分を含んだ染料により木を暗く染め上げ、陰影をより印象的に仕上げています。
手にした人たちが、ほっこりと嬉しくなる木工作品を作り続ける義彦さんと、自然豊かな益子町での暮らしを楽しむ喜代子さん。そんな2人を支え、応援してくれる地元の人々との交流をご紹介します。



義彦さんは、お皿の作品展に出品する新たなデザインの一点物にとりかかっています。新作はアンティークのフレームのような雰囲気を考えてまとめました。いつも以上に複雑な模様をカタチにします。最後に撥水効果のある液体ガラスを塗り、木の質感はそのままに仕上げていきます。
展示会当日の朝。義彦さんの新作を見たギャラリーのオーナーは「想像力を掻き立てるお皿だ」と絶賛。その言葉に義彦さんもうれしそうな表情を見せてくれました。



喜代子さんがやってきたのは、三村さんが営む農園『ファーム ココから』。喜代子さんは、この農園でとれる野菜の大ファンです。今日は特別に、畑で野菜を分けていただくことになりました。芽キャベツにセリやクレソン、さらに地元の西洋野菜を作る仲間が育てたホースラディッシュなどもいただきました。



この日は、義彦さんの家具を愛用してくれている寺方さんご夫婦のお宅にやってきました。以前作った椅子のメンテナンスを行います。愛着を持って使ってくれている様子を見て、義彦さんもうれしそうです。しかし、この日の目的はメンテナンスだけではありません。新たに発注していただいた家具のデザインの打合せです。これから忙しくなりますが、楽しみにしてくれている方のために頑張ろうと意気込む義彦さんでした。



喜代子さんは、益子町にある南国フルーツの果樹園に週5日ほど勤めています。ここで育てている贈答用の高級バナナは、糖度が高くねっとりとした食感が人気です。ここで働く喜代子さんには大きな楽しみがあります。それは、果樹園のかわいい家族、つがいのヤギの世話。みなさんが親切にしてくれる益子町の暮らしを喜代子さんも満喫しています。
和食 杣(そま)

義彦さんの家具を愛用してくれている寺方さんご家族が営むお店です。
栃木豚のカツ煮などおいしい定食が味わえます。
電話 0285-72-0931
営業時間
午前11時30分~午後2時
午後5時~午後8時
定休日 水曜
栃木ゆめポークのカツ煮定食 1,380円


萬次郎家具

主人公・義彦さんが営む木工房です。
木のテーブルウェアや家具などを制作しています。
お問い合わせはホームページまで
「萬次郎家具」で検索してください。
テーブルウェア 3,500円~
※家具は受注生産

