東京都・東大和市編
~世界を味わう 夫婦の料理店~

舞台は東京都東大和市。この地で世界の料理が味わえるレストランを始めた石井哲也さん(61歳)と妻のみどりさん(56歳)が主人公です。
東京都出身の哲也さん。大学時代から海外を巡り、卒業後、都立高校の地理教師になります。その後、同僚の数学教師だったみどりさんと34歳で結婚し、2人の子供が生まれました。家族とも海外旅行を楽しみ、旅先で各国の料理に出会うと、その奥深さに感動した哲也さん。教え子にも「世界の食文化に触れてもらいたい」と、授業で振る舞うように。そして、インドのチャイを出した時のこと。生徒から「先生、こういうお店をやったら?」という声を聞き、「世界の料理が味わえるお店が出来ないか」と考え始めます。その頃、みどりさんも「いつか夫婦でレストランをやってみたい」と思っていました。哲也さんの料理への想いとみどりさんの憧れが一致し、哲也さんは58歳で早期退職。その後、みどりさんも53歳で早期退職し、自宅から歩いて通える貸店舗で2019年5月、『世界の料理 マゼラン』をオープンしました。
教師時代を駆け抜け、世界の料理をたくさんの人に食べてほしいとレストランを始めた石井さんご夫婦。お二人の新たな船出と地域の方々との温かい交流を紹介します。



2人合わせて25カ国も旅をしてきたご夫婦。現地の味をなるべく再現したいと、海外で食べた記憶をもとに2人で味を確認しながら作っています。ランチはインドから取り寄せたスパイスで仕上げる「インドカレー」や、ジューシーな「ドイツ粗挽きハンバーグ」が人気。そして、様々な国の料理を一度に楽しめるのがディナーのコース。「地中海コース」のボルシチは、メニューに欠かせないとオープン直前にロシアへ味を確かめに行き、生み出した自信作です。



世界の料理に積極的に取り入れているのが地元産の食材です。農家の中村さんから仕入れているのは、都内では珍しいビーツ。この新鮮なビーツのおかげで、鮮やかな赤色のボルシチが作れるんです。そして、教師時代に生徒の体験学習の場としてお世話になっている果樹園の星野さんからは、リンゴを頂いています。これを使った冬のデザート「リンゴのコンポート」は、みどりさんが作ります。「これからもどんどん地元の食材を使っていきたい」と意気込む石井さんご夫婦です。



休日は夫婦でお出かけ。月に一度通う秩父の寺へ向かい、リフレッシュして帰ります。そして、大学生の長女・めぐみさんと3人で仲良く晩ご飯です。店が忙しいときは、お手伝いもしてくれる頼れる娘さん。この日は、みどりさんが白いビーフストロガノフをリメイクしてつぼ焼きに。めぐみさんは哲也さんに教わりながらカルパッチョに挑戦しました。新たな夢に向かって再出発した哲也さんとみどりさんを「かっこいい!」と話すめぐみさん。夢追うお2人の心強い味方です。



仕込みの合間、遅い昼ご飯を食べに同じ商店街にある『中国料理 かりん』へ。この店を20年間営む日野さんご夫婦は、石井さんご夫婦の先輩であり恩人です。マゼランのオープン初日に来店し、「何十年やっても店の初日はこの日だけ」と、石井さんご夫婦の写真を撮ってくれました。また、みどりさんが体調を崩した時には、快く相談に乗って下さった大切な方です。大先輩の存在を心の支えに、哲也さんとみどりさんは日々前進しています。
世界の料理 マゼラン

本場仕込みの世界の味をお楽しみ頂けます。サラダやスープも付いたボリュームたっぷりのランチのセットは4種類から選べます。ディナーはコース料理のみの予約制です。
電話:042-507-4368
営業:午前11時30分~午後3時
午後6時~午後8時
定休日:月・火曜
※東京都まん延防止等重点措置の実施期間中は
酒類の提供とディナー営業を自粛しています。
【ランチ】
・ベトナムフォーセット 970円
・インドカレーセット 970円
・ドイツ粗挽きハンバーグセット 1,290円
・シェフにおまかせセット 1,000円
【ディナー】
・地中海コース 3,600円
・ワールド乾杯コース(飲み放題付き) 5,000円

