もう一度会いたい 楽園の主人公
東京・檜原村
~ 憧れの村で紅茶づくり ~

かつての放送を再構成して“もう一度会いたい楽園の主人公”を紹介します。舞台は東京都檜原村。単身移住後に自宅近くで放置されていた茶畑を再生し、紅茶作りを始めた戸田雅子さん(65歳)が主人公です。東京都出身の雅子さんは都立高校の国語教師となり、23歳で健一さんと結婚。2人の子どもが生まれました。田舎暮らしに憧れを抱いていた雅子さんは、檜原村の素晴らしさに魅了され、54歳の時に単身移住。退職するまで、勤め先の高校へは2時間かけて通いました。
村には昔から小規模の茶畑が点在していましたが、高齢化や人手不足で荒地に。雅子さんの家の近くにある茶畑も放置されていましたが、地元の人に教わりながら茶を摘み、緑茶にして飲んだところ、その美味しさに目覚めます。そして、摘んだその日に加工しなければならない緑茶ではなく、加工まで時間に余裕がある紅茶を作ろうと決心します。国産紅茶作りの第一人者でもある師匠・村松二六さんから中古の機械を譲ってもらい、2012年に自宅敷地内に工房を建て、「ひのはら紅茶」の生産を始めました。
放送から6年。雅子さんは、今も紅茶づくりに勤しんでいます。手伝ってくれる人も増えてきました。今では紅茶作りを教わりたいと、若者の姿も。出荷量も増え、紅茶の味も良くなっていると話します。憧れの地に移住後、地元産の茶葉を使った紅茶作りに取り組む戸田雅子さんの日常を紹介します。
(※2014年8月9日放送回を再構成したものです)



雅子さんの紅茶作りは、すべて手摘みで行うため、地元の方々の手伝いが欠かせません。この日は製茶作業。一晩干して水分を取り除いてから茶葉に圧力をかける「揉み」の工程。続いては、温度を一定に保ちながら50分ほど「発酵」させます。すると、茶葉は紅茶特有の色と味、香りに。最後に「乾燥」させて完成です。地元の皆さん5人がかりで摘んだ10キロの茶葉が、2キロの「ひのはら紅茶」になりました。



静岡市丸子にある「丸子紅茶」を訪れました。紅茶の出来具合を師匠である村松二六さんに確かめてもらいます。雅子さんの工房の機械は、二六さんから譲り受けたものなんです。一番茶で作った紅茶、そして二番茶の紅茶を確かめます。二六さんが気になったのは二番茶の紅茶、試飲するとパンチがあって良いと高評価。そして二六さんからは、一番茶と二番茶のブレンドを勧められました。



週末。檜原村に単身移住した雅子さんのもとに、杉並区に住む夫の健一さんがやってきました。この日は、サル除けのネット張りを手伝ってくれました。作業が終われば、夫婦水入らずの夕食です。今夜のメニューは、地元野菜のポトフや頂きものの漬物など。健一さんの趣味はピアノを弾くこと。お互いが趣味の時間を大切にしていて、いい関係ですね。



放送から6年。雅子さんのもとには紅茶づくりを教わりたいと、2人の若者が手伝ってくれています。新規就農した出口さんは雅子さんから「整枝」を教わります。地域おこし協力隊を経て移住した松岡さん、今では製茶もできるようになりました。村で代々受け継がれてきた“お茶栽培のバトン”を若い世代にしっかり渡していく。雅子さんの目標です。
カフェ せせらぎ

雅子さんが作った「ひのはら紅茶」は、檜原村役場内にある『カフェ せせらぎ』で味わえます。もちろん、茶葉も購入できます。
電話番号:090-4667-1971
営業時間:午前9時~午後5時
