静岡・河津町
~ 桜の里の農家カフェ ~

舞台は、河津桜の里として知られる静岡県河津町。1年を通して故郷を盛り上げたいと、自家製野菜を提供するカフェを始めた長田幸惠さん(67歳)と夫の計一さん(71歳)が主人公です。
河津町の農家に生まれた計一さんは、25歳で測量会社を設立。幸惠さんと28歳の時に結婚し、3人の男の子に恵まれました。子育てが落ちついた頃、幸惠さんは計一さんに頼まれ測量会社を手伝うように。会社が軌道に乗ると、計一さんは「両親が残してくれた農地を生かしたい」と考えるように。一方の幸惠さんも、「栄養士の資格を生かして町の魅力を発信したい」と考えていました。そんな折、河津桜まつりの会場付近にあった元飲食店の物件と出会い「ここで自家製野菜を提供するカフェを始めよう」と決意。2014年4月『農家カフェ SATOYAMA』をオープンしました。勉強熱心で朗らかな長田さんご夫婦。お2人の奮闘ぶり、大好きな家族や地域の方々との温かな交流の様子を紹介します。



営業日、11時のオープンに向け、幸惠さんは早朝5時からパン作りに励みます。まだちょっと慣れない作業が生地の計量。足しては引いてまた足して…をちょこちょこ繰り返し、なんとか重さを揃えています。早朝から一生懸命焼いたパンは素朴な優しい味わいです。一方の計一さんは、畑でカフェに欠かせない野菜の収穫です。丹精込めて育てた野菜は鮮度抜群。甘さが自慢のニンジンは加工し、ジュースにもしています。お客様に喜んで頂くため、朝早くから夫婦揃って頑張っています。



ランチメニューの一番人気は河津町の名物「わさび丼」。計一さんの幼馴染から仕入れるワサビは、辛すぎず風味豊かで自家製米の麦ごはんと相性バッチリです。そしてご夫婦自慢の野菜は、ランチにつく小鉢に使用。野菜本来の甘みが味わえるとこちらも大好評です。幸惠さんの手作りパンにたっぷりのワサビを塗り、生ハムやレタスなどの具材を挟んだ「わふぃんサンド」も注文が増えています。「地元の良さを“食”からも広めたい」というのがお2人の思いです。



月に一度、婦人会の皆さんが集まります。この日はみんなで郷土料理の「へらへら餅」を作ります。最年長のウタさんを筆頭に、作り方を思い出しながら和気あいあいと進めていきます。小麦粉を練って平らに伸ばし茹でて、ゴマと砂糖醤油を絡めて完成。みんなで郷土料理を味わいながら、世間話に花が咲く愉快なひとときです。幸惠さんは、へらへら餅を作る体験教室を開いたり、カフェのメニューに加えられないかと考えています。未来に伝えたい郷土の味です。



この日、長男・一真さんと4人のお孫さんが遊びに来てくれました。自宅前の畑に埋まっている“宝物”を計一さんと一緒に掘り出します。出てきたのは、大薯(だいじょ)という山芋。お孫さんは、自分の顔より大きな大薯を「重い!」と言いながらも楽しそうに持ち上げていました。そして家族みんなで夕食です。掘った大薯は、すって味噌汁を馴染ませた「芋汁」にしました。お孫さんも大好きな料理で、ご飯にかければツルツルっと何杯でもいけちゃいます!可愛らしいお孫さんの姿に疲れも吹き飛ぶご夫婦です。
河津町観光協会

河津町は豊富に湧き出ている温泉もオススメです!河津川沿いには無料の足湯も点在しているので、お散歩の休憩にお立ち寄りください。
電話番号:0558-32-0290
問い合わせ:午前8時30分~午後5時15分


農家カフェ SATOYAMA

地元名産のワサビや自家製野菜を味わえます。また、温泉付きの素泊まり宿もやっているので、こちらを拠点に伊豆を満喫することができます。
電話番号:0558-32-1629
営業時間:土曜・日曜・月曜
午前11時~午後4時
※臨時休業あり
【メニュー】
わさび丼:800円
とろろそば:1,000円
わふぃんサンド:500円
100%にんじんジュース:440円
【素泊まり宿 料金】
1人:3,000円
※1人のみ利用は4,000円

