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2018年11月24日霜月の四

愛知・豊田市
~ 福招く山里の蕎麦店 ~

今回の舞台は愛知県豊田市。自然豊かな下山地区で「二八そば 亀福」をオープンした中根清茂さん(70歳)と妻の光世さん(64歳)が主人公です。
3人兄弟の長男として生まれ、幼い頃に父親を亡くした清茂さんは、中学卒業後すぐに近所の建築会社に就職し建具作りの仕事に就きました。旧下山村の青年団の活動にも力を注ぎ、青年団の海外研修で出会った光世さんと29歳で結婚、3人の子供を育てます。
青年団長も務め、常々「地域を盛り立てたい」と考えていた清茂さん。そばに出会ったのは20年ほど前。国の減反政策の影響で稲の代わりにそばの栽培を始めたのがきっかけで、夫婦揃ってそば打ちを習い始めました。その後「しもやま元気そば愛好会」というグループを結成し、週末には仲間と観光案内所でそばを振る舞うほどの腕前に。
清茂さんは65歳で長年勤めた建築会社を定年退職。1年後には光世さんも市役所を60歳で定年退職しました。そんな時、友人たちから「そば打ちの腕をいかして店をやったらどうだ」と背中を押され「それならやってみるか」と一念発起。自宅納屋を増改築し、今年7月に「二八そば 亀福」をオープンしました。
店名は清茂さんが趣味で作っている「亀型のしめ縄」に因んで付けました。営業は土曜、日曜、月曜の週3日。清茂さんがそばを打ち、そば汁や薬味の準備は光世さんが担当します。メニューは「もりそば」、「かけそば」、「期間限定そば」の3種類で1日40食。コシがあって喉越しがいいと評判で、午後3時の閉店前に売り切れることもあります。
趣味のそば打ちで、愛する故郷を盛り立てようと奮闘する中根さんご夫婦の暮らしぶりと、伝承芸能、祭りなど地元住民との交流の様子を紹介します。

営業日、朝6時から清茂さんはお店に出す40食分のそばを打っていました。「あまり柔らかいそばは理想から外れる」。そう語る清茂さんが丁寧に仕上げた1.5ミリの端正な二八そばは、コシがあり、のど越しもよいとお客さんに評判です。

この日お2人が出かけたのは下山の秋祭り「よってらっ彩みてらっ祭」。かつて参加していた「しもやま元気そば愛好会」の仲間たちと祭りでそばを販売します。振る舞うそばはネギとオカカの乗ったかけそば。午後2時には売り切れるほどの大人気でした。

夜、清茂さんは地元の伝承芸能「下山三河万歳」の稽古に出かけました。清茂さんが務めるのは「太夫」という語り役。鼓を打ち、合いの手を入れるのが「才蔵」です。五穀豊穣を祈願するおめでたい舞で、お正月の「門付芸」として親しまれました。披露する機会は減りましたが、こうして定期的に稽古し、継承しています。

この日は孫の太督くんがお店にやってきました。学校が休みの日はお手伝いしてくれます。清茂さんや光世さんが注文を間違えるとすかさず太督くんのチェックが入ります。清茂さんも「僕よりも覚えが良くて助かる」と笑顔。

楽園通信

二八そば 亀福

清茂さんと光世さんが営む「二八そば 亀福」。そばは1日限定40食。
期間限定のたぬきつねは年内まで販売しています。
もりそばとかけそばは、とろろとおろしが選べます。
お店に電話はありません。
営業情報は「二八そば 亀福」で検索してご確認ください。

営業時間:午前11時~午後3時
営業日:土・日・月曜
※1日限定40食、臨時休業有
もりそば:800円
かけそば:900円
期間限定そば:1,000円(たぬきつねは12月末まで)

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