石川・穴水町
~ 能登のまいもんカフェ ~

石川県穴水町が舞台。早期退職後、築120年の実家の蔵を移築して、カフェを始めた森山美奈子さん(57歳)と夫の照応さん(59歳)が主人公です。
穴水町で生まれ育った美奈子さんは、20歳から町役場に勤め、21歳の時に同じ穴水町出身の照応さんと結婚。3人の子供が生まれました。お二人は家に人を招くのが大好き。美奈子さんはいつか、友達や趣味の仲間たちが集えるカフェを作る夢を抱くようになりました。そんな美奈子さんがカフェを始めるきっかけとなったのは、7年前に能登地方を襲った大雪。実家の横にあった蔵が傾き、修復を考えた時、その蔵とカフェの夢が結びつきました。早期退職を決めた美奈子さん。照応さんも、カフェの開業をサポートしながら、以前からやりたかった農業への夢を実現させようと退職を決意しました。
そして二人は、古民家再生の助成金とこれまでの蓄えを使い、蔵を解体し海沿いの空き地に移築。2017年1月「蔵カフェ 菜々(さいな)」をオープンしました。また、カフェの営業が落ち着くと、照応さんは本格的に農業をスタートさせました。
カフェのメインは能登の“まいもん”(美味しいもの)が詰まった、日替わりランチプレート。美奈子さんが友達から分けてもらった地元の魚や、照応さんがハウスで育てている野菜が食材となります。なるべく地元の物を使いたいという美奈子さんのこだわりです。お店では、長女の舞さんが接客など美奈子さんをサポート。さらに夜の営業では、照応さんや次男の悠哉さんもお店を手伝い、家族みんなで美奈子さんの夢を支えています。
早期退職後、歴史ある蔵でカフェを始めた美奈子さんと照応さん。それぞれ夢を追いかけるご夫婦と、地域の人々の温かい繋がりを紹介します。



カフェが定休日のこの日、お店に大勢の人がやってきました。地域の「手芸サークル」の皆さんと「健康体操サークル」の皆さんです。定休日は『サロン 菜々』と名付けてカフェのスペースを開放しています。「定休日にはカフェを開放して、皆さんと楽しみを分け合いたい」と美奈子さんは話します。ゴムを使ったストレッチや小さな着物作り、さらに皆で歌ったりなど、「蔵カフェ 菜々」は定休日でも楽しい笑顔が生まれています。


この日、美奈子さんが食材の調達に訪ねたのは、漁業を営んでいる同級生の山瀬さん。美奈子さんから「頂戴」と言われると、いつも「まかせとけ」と新鮮な魚介を分けてくれます。今日頂いたのは、バケツ一杯のナマコ。「頑張っている美奈子さんを、少しでも応援していきたい」と話す山瀬さん。たくさんの人が「蔵カフェ 菜々」を支えてくれています。



照応さんが今、一番力を入れているのは、原木シイタケの栽培。中でも特に大きく手毬のように丸いものが「のとてまり」、さらに丸く大きいものは「のとてまりプレミアム」と名付けられ、ブランド椎茸として市場に並びます。シイタケ栽培を教えてくれたのは、師匠・高森さん。シイタケ農家1年目の照応さんですが、この日は「のとてまりプレミアム」を7枚も出荷することができました。


照応さんの新たな夢、それはカフェの横の空き地に焼き釜を作り、陶芸家だった父・博應さんの想いを追いかけること。これまでカフェのサポートをしてくれた照応さんを、美奈子さんも応援してくれています。「自分たちが楽しんでいれば、周りの人も楽しんでくれる」そう考えるご夫婦の気持ちが地域を明るくしています。
蔵カフェ 菜々

地元の漁師さんから頂いた魚や、照応さんが育てている野菜を使った美奈子さんこだわりの日替わりランチプレートセットをぜひどうぞ。
予約制で夜の営業も行っています。
照応さんの「原木シイタケ」も購入できます。
ランチプレートセット:1,000円
電話番号:0768-52-0855
営業時間:午前11時~午後5時
定休日:月曜日


農家民宿 菜々

穴水町をゆっくり観光したい方はぜひご利用ください。
電話番号:0768-52-0855
お問い合わせ時間:午前11時~午後5時