これまでの放送

  • 年別にみる
  • 地域別にみる
2017年12月16日師走の参

大阪・東大阪市
〜 伝統を紡ぐ河内木綿 〜

東大阪市で河内木綿の伝統を受け継いでいこうと『河内木綿はたおり工房』を立ち上げた中井由榮さん(74歳)と夫の和一郎さん(78歳)が今回の主人公。
大阪市出身の由榮さんは、地元の工芸の会社に勤めていた27歳の時、和一郎さんと結婚し2人の子どもが生まれます。13年前、地元の伝統文化を紹介するイベントで河内木綿と出会った由榮さん、「自分が住んでいるこの場所で、昔はこんなことをしていたのか」と興味を持ちました。地元でも忘れられていた河内木綿でしたが、その種をご夫婦で植えてみました。次第にその魅力に惹かれていった中井さんご夫婦、種から綿が収穫できると、今度は糸の紡ぎ方と機織りを学びます。由榮さんは、もっと多くの人に河内木綿のことを知ってもらいたいと仲間を募り、『河内木綿コットン・クラブ』を結成。その後、市の援助を受け、機織りの器具などを揃えていきます。そして、2015年に石切神社の参道沿いの古民家を借り、河内木綿を誰もが気軽に体験出来る『河内木綿はたおり工房』をオープンしました。
『河内木綿はたおり工房』では、河内木綿が出来るまでの工程が全て体験出来るようになっています。中井さんご夫婦とお仲間の上田さんご夫婦で綿を栽培し、はたおり工房の会員さんたちが、綿と種を分ける綿繰りや、糸車で糸を紡ぎ、機織りで布を作ります。さらに、ご近所さんにビワの葉などの草木染の材料をいただき、糸も染めも地元のものを使用しています。
『河内木綿はたおり工房』での体験メニューは、コースター作りや糸紡ぎなど。石切さんと親しみを込めて呼ばれる、東大阪市で信仰の厚い、石切劔箭神社に参拝しに来た方など、どなたでも利用できます。
河内木綿の伝統をたくさんの方に伝えようとするご夫婦と、はたおり工房の仲間や地域の方たちとの交流の様子を紹介します。

こちらの工房では、由榮さんを始め仲間たちが河内木綿作りをしています。皆さんで綿を糸にしていく作業です。まずは、綿を棒に巻きつけて筒状にし、繊維を一定方向に揃えます。これを「じんき」と言います。この「じんき」を糸の先端部分にかぶせて回転させながら優しく引いていくと、綿の繊維が糸に絡め取られながら糸状に伸びていきます。さらに回転を加えてよりをかければ、糸の完成です。河内木綿は、繊維が丈夫で破れにくいのが特徴です。

この日は、畑で綿を収穫します。太陽を浴びて、しっかり綿が吹いています。良い綿がたくさん収穫できました。収穫した綿は、縁側で3日間ほど乾燥させます。そして、「綿繰り」という作業へ。「綿繰り」とは、種と綿をはずす作業のこと。素朴な道具を使って、手作業で種と綿をはずしていきます。

『河内木綿はたおり工房』では、糸の染色も自分たちで行っています。ご近所のお宅からいただいたビワの葉で糸を染めます。ビワの葉を適当な大きさに切って煮出していくと…ピンク色の煮汁が出てきます。そこに糸を入れるとピンク色の糸が完成しました。素朴な色合いが素敵です。

体験教室にお客様がやってきました。小さい卓上の機織り機を使って、コースターを作ります。「難しいところもあったけど、楽しかった!」と笑顔が溢れていました。

楽園通信

河内木綿はたおり工房

工房では、河内木綿に触れる様々な体験が用意されています。また、河内木綿を使ったオリジナル商品も販売しています。素朴で優しい河内木綿をぜひ手に取ってみてください。

【体験メニュー】
河内木綿糸紡ぎ:500円
ミニコースター作り:500円

【オリジナル商品】
どんぐりストラップ:350円
コインパース:1,200円〜
名刺入れ:1,400円

電話番号:072-987-0189
営業時間:午前10時30分〜午後3時30分
定休日:不定休

ページトップへ戻る